- 芸術文化日録(AtoCジャーナル)
『アイヌがまなざす』を論じる
2025年04月27日

道新読書ナビの《本の海》。2023年6月刊行の北大准教授の石原真衣の著書『アイヌがまなざす』(岩波書店)を、「逍遥通信」発行人の澤田展人が論じた。「和人の子孫である多数者(私たち)は支配者・優越者・同情者のまなざしでアイヌの人々を見てきたし、そのことが差別を生んできた。今、私たちが民族共生のもと人間らしく生きることを求めるならば、傷を負ったアイヌの人々のまなざしにさらされなければならない。そのことは身体の次元で、世界把握の転換を迫るだろう」。全文引用したいぐらいの渾身の書評であった。
第66回北海道書道展は、かな書の久保田共子(札幌)が大賞に選ばれた。受賞作は小倉百人一首から6首を並べた。はかなく細い線が特徴。長く師事する神戸・正筆会の黒田賢一による「線は一生かかってできていくもの」という言葉を大切にする。