北海道芸術文化アーカイヴセンター

AtoCジャーナル

  • 8月から道内9市町で北海道国際映画祭

    2024年07月07日

    「北海道国際映画祭」が、8月から10月にかけて江差町、森町、倶知安町、名寄市、別海町、紋別市、大樹町の8市町で開かれる。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭のスタッフを中心とする実行委が企画した。道新社会面。
    ジャーナリスト・作家の故外岡秀俊のオーラルヒストリー『外岡秀俊という新聞記者がいた』が田畑書店から刊行された。聞き手は、法政大学非常勤講師の及川智洋。2017年の私家版に未刊小説などを収録した。朝日新聞北海道面。

  • 道新ホールの演劇史 『天国への階段』で幕

    2024年07月06日

     道新ホールが6月末で閉館。最後の演劇公演となったのは、6月22〜23日に上演された『天国への階段 北海道re-mix』。特殊清掃員の群像劇という異色の設定だが、舞台上の抽象的なセットを出演者が片付けていき、すべてなくなった時、特殊清掃会社の社長が「覚えている人がいる限り、その人は生きている」と言う。鈴井貴之の作・演出。道新カルチャー面《ステージ》で紹介。《穂村弘の迷子手帳》はバーチャルの花火。
     江差町で380年前から続く「姥神大神宮渡御祭」の名称を神宮が商標登録した問題で、町内の税理士が町と神宮の間で契約を結んだ。町や団体が名称を使うときは、事前承諾により無償で使えることになった。北大総合博物館では企画展「北大の探究心2024」が5日から始まった。道新社会面。
    『幸福の黄色いハンカチ』『男はつらいよ 知床慕情』などに出演した俳優・赤塚真人が4日、73歳で死去した。

  • 『太陽のふね』お披露目

    2024年07月05日

     札幌芸術の森美術館中庭で、藤原千也(かずや)が制作した大作『太陽のふね』が6月29日から公開されている。本郷新記念札幌彫刻賞の2023年度受賞作。藤原は北海道工業高(元道科学大高)から大阪芸大、和歌山県森林組合を経て北海道教育大大学院へ進学した異色の経歴を持つ。作品について「もうとっくに倒れているかもしれない現代という名の樹木。それでも日々を生きなければいけない私たちは何を信じて、何を見たら良いのだろう。本当の光を見たい。巨大な生命の光を見たい」と述べている。道新10区新聞。

  • 北海道平和美術展、原爆展に札幌南高定時制生

    2024年07月04日

     道新札幌圏版。31日から札幌市民ギャラリーで、北海道平和美術展が開かれる。札幌南高定時制の生徒による長崎平和記念像のモザイク画なども展示される。平和美術展は、ベトナム戦争中の1974年、本郷新、本田明二、高橋北修らの呼びかけで始まった。来年解散する北海道被爆者協会が主催する「原爆展」は、10回目の今回が最後となる。こちらにも札幌南高定時制の生徒が朗読劇で参加する。同じく社会面。
     国際教育音楽祭PMFは10日に開幕し、首席指揮者マンフレート・ホーネックらの指導で30日まで30公演を開催する。85人のアカデミー生が参加する。

  • 『フラジャイル』20号

    2024年07月02日

     道新カルチャー面。《道内文学 詩》は、SNS上に発表された詩を収めた詩集のほか、20号に至った旭川の詩誌『フラジャイル』を紹介した。《音楽会》は、プラハ・チェロ・リパブリック2024(評・八木幸三)。

  • 『明治期北海道の兵士たち』

    2024年06月30日

     道新読書ナビの《ほっかいどう》は、相庭達也『明治期北海道の兵士たち』(北大出版会)。屯田兵や陸軍第七師団がどのように軍隊が形成され、戦地へ派遣されたかを「兵士を集団ではなく個としてとらえ」て解き明かした。
     作家の梁石日が29日、87歳で死去した。
     

  • 札幌のポップカルチャーどうする? 産学官で意見交換

    2024年06月29日

     札幌市が検討している「マンガミュージアム」やポップカルチャーについて、産学官の意見交換会が28日に開催された。北大、札幌観光協会、CCC、JTBなどが参加した。大和和紀や山岸涼子によるマンガミュージアム構想とも連携していく。道新札幌版。
     新型コロナウイルス禍の記憶を後世へ伝える取り組みが、大学や博物館で行われているとの記事。道新カルチャー面。浦幌町立博物館では、コロナ禍の社会現象を記録する「モノ」のほか、声も収集。日本学術会議もデジタルデータベースの構築を提言したという。アーカイヴの必要性を論じる好機。他に、札幌の演歌歌手・小山雄大による全国行脚の話題も。
     白老のウポポイでは29日から「生誕90年記念 藤戸竹喜の世界展」が始まった。8月25日まで。道新社会面。

  • オーボエ、ピアノのフランスプログラム

    2024年06月28日

    〈パリで出会った道産子ふたりのコンサート〉札幌・ふきのとうホール
     釧路出身でフィンランドの古都トゥルクのオーケストラで首席を務めるオーボエの高島拓哉、函館出身でパリ国立高等音楽院などで学んだピアノの岡田奏の共演。ラヴェルのソナチネ、デュティユー、サン=サーンス、プーランクそれぞれのソナタという、価値あるフランスプログラムだった。低音域から高音までムラなく、芯のあるオーボエの音色に浸り、「ソロも室内楽もコンチェルトも同じように取り組んでいきたい」と自ら語るピアニストの表現の幅の広さに感嘆した。主催はヤマハミュージックジャパン。
    特別展〈SEVEN DADA’S BABY再考〉市立小樽美術館
     1982年に札幌のギャラリーユリイカで開かれた「SEVEN DADA’ BABY」を、当時企画を担当した柴橋伴夫自身が振り返る。阿部典英、荒井善則、岡倉佐由美、佐渡富士夫、千葉豪、楢原武正、一原有徳を取り上げた。40年前の熱気をそのまま伝える作品群が展示空間をみっちりと埋め、息苦しささえ感じる。当時と現代を結ぶものが何かを考察する手がかりはどこか。会期終了間際に観覧。
     ■  ■  ■
     ドイツ・ロストック音楽演劇大学に留学中の小野寺拓真(札幌開成中等教育学校卒)が、5月にハンガリーのブダペスト・スプリング・フェスティバルに出演。コダーイやバラキレフを演奏した。Kitaraのリスト音楽院セミナーで最優秀受講者に選ばれ、機会を得た。3月に亡くなった元札響チェロ奏者、小島盛史の追悼コンサートが開かれた。NHK放送管弦楽団から1968年に札響へ移った。札幌10区新聞から。
     札幌・北区の画家鈴木博詞が、肖像画を対象とする第70回全日肖展で内閣総理大臣賞を初めて受賞した。受賞作は『松本先生』。道新札幌圏版。

  • 河﨑秋子『愚か者の石』

    2024年06月27日

     直木賞作家の河﨑秋子の受賞第一作『愚か者の石』(小学館)について、作家が語っている。樺戸集治監を舞台に、囚人と看守の関係を題材にした。《音楽会》は「波多野睦美リサイタル」(評・三浦洋)。伊藤氏貴の《文芸時評》は。文学の「家族」について。

  • 札幌市が第4期文化芸術基本計画を発表

    2024年06月26日

     札幌市が新しい(第4期)文化芸術基本計画を発表した。札幌市のホームページで公開されている。 https://www.city.sapporo.jp/shimin/bunka/kihonkeikaku/index.html
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     札幌などの工芸作家集団による「サッポロ クラフト タグ」が37年間の活動を締めくくる展覧会を、ギャラリー茶廊法邑郎で開いている。30日まで。1987年に木彫作家の岩間隆と金属造形作家の沢田正文らが結成した。

  • 桜木紫乃が描くアイヌ女性

    2024年06月24日

     桜木紫乃がアイヌ文様のデザイナー・貝澤珠美をモデルに小説『谷から来た女』(文藝春秋)を刊行した。札幌や二風谷などを舞台とする6編の物語。貝澤の祖父・正は二風谷ダムの建設に反対し、訴訟の前面に立った。「デビューしたころからずっと書きたかったテーマ。小説家として原点回帰の作品」と桜木は話す。中島岳志の《論壇時評》は中選挙区連記制について。《魚眼図》の二通諭は、自ら編集を担当した札幌映画サークル創立60周年記念誌について触れている。栗山町在住の詩人友田多喜雄が5月31日、93歳で死去した。東京出身だが、戦後士別に入植し、札幌を経て栗山町に住んだ。
     文化や芸術の現場では、他の職場に比べてハラスメント被害の経験率が高いという調査結果が発表された。表現の現場調査団調べ。「キス・抱きつく・性的行為を求められた」「セクシュアリティーの告白を強要された」「密室に誘われた」などの7項目すべてで、表現者の方が、表現の経験のない人たちの群を上回ったという。収入の男女差や、収入の高い女性表現者がハラスメント被害に遭いがちな傾向もあると。朝日新聞社会面。

  • 琴似屯田兵村の歴史書復刻

    2024年06月22日

    『開拓使最初の屯田兵 琴似兵村』の復刻版が、北海道屯田倶楽部(西区)の手で発刊された。原著は、琴似兵村で幼少期を過ごした屯田兵2世の山田勝伴(よしとも)が執筆し、1944(昭和19)年に刊行された。文化庁は日本遺産の「炭鉄港」の構成文化財として江別のれんがや鉄道に関する4件を追加することを決めた。空知の炭鉱、室蘭の鉄鋼、小樽の港湾と鉄道などをテーマに2019年に認定された。道新社会面。

  • 波多野睦美リサイタル

    2024年06月21日

     6月21日のACA設立を機に、AtoCジャーナル子が鑑賞/観賞した音楽会や展覧会その他の話題も、ぼちぼちと。
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    〈波多野睦美リサイタル サイレント・ヌーン〉札幌・ふきのとうホール
     19世紀末のロンドン。王立音楽大学で作曲を教えていたスタンフォードにまつわる時代と作曲家の楽曲を、メゾソプラノの波多野睦美が歌う。ブラームス、ヴォーン・ウィリアムズ、クィルター、ガーニーなどスタンフォードに連なる作曲家を紹介した。波多野の声の美しさと音域に応じた確かなコントロールが光った。最後に取り上げたブリテン編曲のイギリス民謡3曲のうち、『木々は高く育ち』が圧巻だった。ピアノは影山裕子。ソロで演奏したブラームス『間奏曲』、ガーニー『ノクターン』も秀逸だった。プログラムの訳詩、解説は本堂知彦。

  • まだ名づけられてない人、もの、こと

    2024年06月20日

     若手対象のバレエのコンクール「ユース・アメリカ・グランプリ」クラシック部門で女性1位になった札幌市立中1年の山田優七が札幌市役所を訪問し、秋元克広市長から記念の盾を受け取った。9月からモナコのバレエ学校に留学する。札幌のイラストレーター藤倉英幸の作品展が札幌三越本館の三越ギャラリーで開かれている。30年以上にわたり、JR北海道の車内誌の表紙絵を手がけてきた。24日まで。それぞれ札幌版、札幌圏版。
     カルチャー面では、北海道立文学館で25日から始まる絵画展「嗚呼、メレヨン島」を紹介。太平洋戦争でミクロネシアのメレヨン島に派遣され、九死に一生を得た柿本胤二(2022年死去)の遺作16点を展示する。トヨタカローラ札幌の創業者でもあった。札幌彫刻美術館の企画展「共振」は、本郷新の彫刻との「対話」をテーマとし、立体、写真、アニメーション、短歌などの作家をフューチャーした。《音楽会》は、井上道義の引退公演となった札響5月定期(評・八木幸三)。〈言いたいのは、現に在るのに、まだ名づけられていない人、もの、こと、が今でもたくさんあるのでは、ってことだ〉は、朝倉かすみの《わたしがちゃんこかったころ》より。
     道新社会面には、剣淵町が年度内に「絵本の里条例」を制定する方針であることが報じられた。絵本に関するまちづくりの条例制定は全国でも例がないという。
     詩人の白石かずこが14日に死去、93歳。

  • 北海道芸術文化アーカイヴセンター設立

    2024年06月19日

     われらがことで恐縮ながら、北海道芸術文化アーカイヴセンター(ACA)が19日の設立運営会議をもって正式に発足した。現在は、運営メンバーが手元の資料やイベントの情報を手作業でデータベース(DB)に入力している。秋にはDB公開とともに、設立記念のシンポジウムも開催する計画である。芸術・文化の活動に携わる人たちが「私のアーカイヴ」を後世に伝えていけるよう、大きな大きな器を設けておく。息の長い活動になりそうである。どうぞさまざまな形でご支援を。

  • 牛来昌 携帯基地局計画に物申す

    2024年06月18日

     牛来昌(さかえ)元斜里町長が、知床で進む携帯基地局計画へ意見を述べている。〈知床ってのは「不便さこそ宝」なんだ。不便だからこそ豊かな自然の恵みを受けて羅臼の人も、斜里の人もみんな今日まで頑張って生きてきた〉〈一番残念なのは環境省だよ。いったい知床の価値をどう考えているのか〉〈確かに携帯電話がつながれば便利さ。便利だけど、みんな不便な知床に誇りや理想を持ってやってきたんじゃないのか〉。朝日新聞北海道面。
     札幌を拠点とする俳優・タレントの金田一仁志は、腹話術師としても活躍している。キャリア5年ながら、F-1腹話術グランプリで2年連続の2位、4月に神戸で行われた2024年大会は3位となった。『タマゴマンは中学生』の著者坂本勤と、かつて『さわこのじてん』を刊行した室蘭の主婦今美幸が往復書簡集『坂本先生とさわこの母』(北海道新聞社)を刊行した。「さわこ(佐和子)」は今の娘で、脳性麻痺による肢体不自由と知的・聴覚障がいがある。《展覧会》は、東京都現代美術館で開かれているグループ展「翻訳できない わたしの言葉」。札幌在住のアーティスト、マユンキキらが出品している。道新カルチャー面。

  • 帯広に「平原通り小劇場」

    2024年06月16日

     帯広市西2南9に民間の「平原通り小劇場」が15日にオープンした。商業ビルの地下1階にあり、舞台の広さは48平方メートル、客席は80席。民間の小劇場は十勝管内では唯一という。札幌座の公演『亀、もしくは…。』を上演した。道新社会面。

  • 「怒髪天」が結成40周年

    2024年06月15日

     6月末で閉館する道新ホールでは、札幌で結成され、結成40周年を迎えた「怒髪天」がライブを開く。ベッシーホール、滝野すずらん丘陵公園でも。国内初の人事専門図書館「人事図書館」が4月に都内にオープンした。発起人で館長は、札幌出身の吉田洋介。有料会員制で、来館者同士で交流もできる。山田航の《札幌零景》は「綿毛の垣根のある家」。道新文化・エンタメ面。
     道新ホールでは、熊川哲也の講演会も開かれた。「ありがとう道新ホール」企画の一環。札響専務理事は、鳥居和比徒から荒木太郎に代わった。原田康子原作の映画『挽歌』で主演した久我美子が9日に死去した。93歳。道新社会面。

  • 及川光悦に札幌市が感謝状

    2024年06月14日

     道新札幌版。新得町出身の指揮者・及川光悦に、札幌市が感謝状を贈った。日本音楽文化交流協会の代表として、札幌では1994年から障がいのある子や児童施設の子を招待してきた。6月13日で通算30回となる。
     札幌圏版。能楽の愛好団体「札幌能楽会」は23日、旭川の上川神社に能楽を奉納する。仕舞『融』『田村』と舞囃子『鞍馬天狗』。15日は北海道神宮にも奉納する。
     社会面。株式会社さっぽろテレビ塔は、さっぽろテレビ塔を国の登録有形文化財に申請した。2023年度には44万2千人が来場している。
     カルチャー面。《金曜シネマ》は、大泉洋主演の『ディア・ファミリー』。
     朝日新聞北海道面。オランダ在住のジャズピアニスト小橋敦子のコンサートが、23日に幕別町百年記念ホールで開かれる。日本での演奏を希望して幕別町にメールを送ったところ、受け取った町職員岡本祐也が応えた。

  • 岩井圭也『われは熊楠』

    2024年06月13日

     道新カルチャー面。全道展開幕。『われは熊楠』(文藝春秋)直木賞候補になった岩井圭也(北大大学院修了)のインタビュー。同じ日の社会面には、岩井が直木賞候補に選ばれたとの記事も。
     オペラ『桜の森の満開の下』公演の記事。《奏で人札響》はヴァイオリン副首席の飯村真理。
     道新社会面には、北方領土の歯舞群島・志発島で終戦後に日露の住民が混住した時代のことを題材にしたロシア人脚本家の小説の邦訳『船 北方領土で起きた日本人とロシア人の物語』(皓星社)が7月に刊行される。

  • 9月に富良野で野外音楽イベント

    2024年06月12日

     9月6日からの3日間、富良野で野外音楽イベントが開催される。地元の若手経営者が実行委を作り、2万人の集客を目指すという。道新社会面。
     プリツカー賞受賞の建築家の槇文彦が6日に死去。95歳。
     朝日新聞北海道面。釧路市立美術館で「博物館浴」の実証実験が行われた。九州産業大の緒方泉特任教授が提唱し、血圧が下がったり、活力を示す数値が高まった調査結果があるという。釧路北陽の生徒が参加した。

  • 写真のJPS公募展で道内勢活躍

    2024年06月11日

     道新カルチャー面。日本写真家協会(JPS)の公募展で、下川町の日野昭雄が文部科学大臣賞、札幌のセオノリエが金賞(3席)、札幌の岩永雅弘が銀賞となり、道内勢が上位を占めた。札幌座の人気作品『亀もしくは…。』が道内を巡演中。
     道新社会面。元札響首席チェリストの土田英順が、プロデビュー65周年のコンサートを9日に開いた。

  • 桜木紫乃×河﨑秋子対談

    2024年06月09日

     道新の特集で、直木賞作家の桜木紫乃と河﨑秋子が対談。直木賞のこと、北海道のこと、道東のことを語っている。
     桜木〈私たちは道東という「辺境」から出た作家だけど、自分たちの「ど真ん中」で書いているからね〉
     河﨑〈道東はどれだけ知恵をつけようが、死ぬ時は死ぬみたいな、人間はたかが人間なのだと感じさせられる場所〉
     

  • 道新ホールが30日閉館

    2024年06月08日

    「ポップスの登竜門」「地元劇団の目標」などとして親しまれてきた「道新ホール」が6月30日をもって閉館する。61年の歴史。1600席の札幌市民会館ぐらいしかなかったため、期待は大きかったが開館当初は貸出条件が厳しかったため、地元文化団体が反発したという真偽不明の話もある。ワンフロアのため、ホールの一体感があるのもメリットだった。一般客が5人(関係者8人)しかいなかったという1974年1月のオフコースのエピソードは、小田和正の特集番組で自身がライブ会場で「道新ホール」の名前を出して振り返っていたのも記憶に新しい。サタデーどうしん。
     カルチャー面では、同じ道新ホールの地元劇団の最終公演となる「OOPARTS」の公演(6月21〜23日)について、主宰の鈴井貴之が語っている。チケットはすでに完売。

  • 1982年「SEVEN DADA’S BABY」展を振り返る

    2024年06月07日

     道新カルチャー面。《展覧会》は「SEVEN DAFDA’S BABY再考 7人のアヴァンギャルド」展。1982年のグループ展を振り返ることで、ダダをあらためて考えることがテーマ。第9回斎藤茂太賞に、ノンフィクション作家(元道新論説委員)の小坂洋右の『アイヌの時空を旅する』が選ばれた。
     第78回全道展の最高賞に、函館の大野海玖の絵画『静寂な眠りの中で』が選ばれた。23歳以下が対象の北海道美術館協力会賞とのダブル受賞。しかも2年連続という。室蘭出身の写真家・吉田ルイ子が5月31日に死去。89歳だった。道新社会面。
     札幌10区新聞には、北海道博物館で開催中の企画展「北海道樹木万華鏡−スキャンアートと標本で見る木々のかたち」の記事。南区在住のスキャナグラファー孫田聡による。

  • 19年目の「君の椅子」

    2024年06月06日

     朝日新聞北海道面は、19年目を迎えた「君の椅子プロジェクト」を大きく紹介。元副知事の磯田憲一が発案し、2006年に東川町が最初の参加自治体となった。君の椅子を扱いたいと伊勢丹が申し出たが、議論の末に断ったというエピソードは初耳だった。
     道新カルチャー面。佐々木譲の《現場に立つ 時空を超えて》は、初めて世に送り出して新人賞を受賞した『鉄騎兵、跳んだ』のエピソード。《音楽会》は、按田佳央理のフルートリサイタル。評は中村隆夫。桑原憂太郎の《道内文学 短歌》。
     若手作家8人による「未完の大器 特別展」が5日から、札幌・東区のギャラリー法邑で始まった。アーティスト創生プランター協会が主催。10日まで。道新札幌圏版。

  • 天神山アートスタジオ10年

    2024年06月05日

     さっぽろ天神山アートスタジオが開設10年を迎えた。これまで延べ3000人近くが滞在した。2014年の札幌国際芸術祭をきっかけに、閉鎖されていた施設を改修した。現在は一般社団法人AISプランニングが運営する。滞在するアーティストと地元の人たちの交流も良い刺激になっている。

  • 穂村弘の《迷子手帳》

    2024年06月04日

     道新カルチャー面《会いたい聞きたい》は、道新連載のエッセイをまとめた『迷子手帳』(講談社)を刊行した穂村弘。「短歌はエッセーをだるま落とししたようなもの。スコン、スコンって。だから、短歌の方が(表現が)鋭い角度になるかな」
     同じ紙面。戦争体験者のインタビュー集『7人の戦争アーカイブ』(梨の木舎)が38年ぶりに再刊された。歴史学者で恵泉女学院大名誉教授の内海愛子の著書。近年ドキュメンタリー映画を制作したHBC、UHB、HTBの監督がイベント「ドキュメンタリーが面白い!」でそろい、制作の経緯やテレビ局の姿勢についても議論した。五十嵐秀彦の《道内文学 俳句》は、デジタル化で印刷が簡易になったため、俳誌に新しい風が吹いていると指摘する。

  • 近美リニューアルの議論

    2024年06月03日

     道新・学びeyeが、北海道立近代美術館のリニューアルを取り上げている。5月に公表された3案(現地改修、現地新築、移転新築)の詳細説明を中心に、「建設費の議論ばかりが注目されている」(これは取り上げ方の問題)こと、自然環境を残すべしとのアンケートで多かった声、現在の建物と新築部分のハイブリッド案などを紹介した。倉敷市の美術館運営コンサルティング会社「イデア」の大月代表のコメント。〈近美の議論を見ていると、道が積極的に「やりたいこと」が何なのか、薄ぼんやりとしていて見えず、「消去法」で議論をしている印象を受けます〉。指摘のとおり。

  • 見逃すこと、見逃さないこと

    2024年06月02日

     朝日新聞文化面の《動標》は三宅唱の「みのがす」。公開されているすべての映画を見ることはできないことを挙げ、「すべて」のあり得なさから、「見逃す」ことと「見逃さない」ことに視線を向けている。
     道新読書ナビ。大型書評で、千早茜『グリフィスの傷』(集英社)、及川智洋『外岡秀俊という新聞記者がいた』(田畑書店)を紹介している。《ほっかいどう》は塚田英晴『野生動物学者が教える キツネのせかい』(緑書房)。
     東川町は「写真の町」宣言から40年目。写真展「東川×写真×私」を開催中。斜里では知床国立公園指定から60周年の記念式典で、河﨑秋子が講演した。「知床らしさから考える人と自然の距離」をテーマにシンポジウムも。道新社会面。

  • 『あっちこっち佐藤さん』ロングラン中

    2024年06月01日

     道新文化・エンタメ面。《ステージ》は北八劇場の柿落としロングラン『あっちこっち佐藤さん』。初演2007年で再演4度目というから、人気演目である。記事では性的少数者への不適切な表現もあるそう。最終盤のチケットが取れているので、吟味してみたい。ハロー!プロジェクトの道内出身2人を紹介している。アンジュルムの伊勢鈴蘭とハロプロを卒業した元Juice=Juiceの稲葉愛香。アンジュルムの新曲は、札幌出身の山崎あおいが作詞している。《穂村弘の迷子手帳》は猫の瞳のお話。連載は単行本になった由。

  • 東京で6月に草森紳一展

    2024年05月31日

     道新カルチャー面。音更町出身の随筆・評論家の草森紳一の足跡をたどる「雑力の人 草森紳一 元祖サブカル評論家展」が東京・台東区寿の書店Readin’Writin’ BOOK STORE」で6月に開催される。《金曜シネマ》は韓国映画『成功したオタク』。

  • 洞爺湖町出身の陶芸家 道川省三

    2024年05月30日

     道新カルチャー面。洞爺湖町出身の陶芸家・道川省三が活動の幅を広げている。愛知県瀬戸市と静岡県島田市川根町にアトリエを構えつつ、国内外の個展やワークショップ、講演もこなしている。道内での活動も視野に入れているという。
     伊藤氏貴の《文芸時評》は、朗読など「声」に着目。《音楽会》は、鈴木大介のギターリサイタル(評・三浦洋)。《ステージ》は劇団四季の最新ミュージカル。旭川出身の漫画家・藤田和日郎の『黒博物館 ゴーストアンドレディ』が原作。

  • 8月に石山緑地で薪能

    2024年05月29日

     札幌市南区の石山緑地で、8月10日に薪能が行われる。札幌市芸術文化財団と札幌市の共催事業。演目は『安達原』。総合演出は、京都の能楽師松野浩行。プロジェクションマッピングなども活用する。石山緑地での薪能開催は23年ぶり。道新社会面。

  • 三浦綾子の単行本未収録短歌

    2024年05月28日

     三浦綾子の単行本未収録の短歌13首が新たに見つかった。函館市中央図書館が所蔵する短歌誌「あかだも」掲載の11首と、三浦綾子記念文学館が所蔵する「旭川アララギ会報」に掲載された2首。三浦文学館長の田中綾らが確認した。旧姓の「堀田綾子」名義。

  • 商家資料館の夢

    2024年05月24日

     道新10区新聞。1910(明治43)年に豊平町に開業し、1992年に閉店した雑貨・食料品の「池上商店」の歴史を振り返った『池上商店 夢の商家館』(北海道新聞社)が刊行された。池上商店3代目、池上学園創始者の故・池上公介が目指した「商家資料館」を紙上にまとめた一冊。
     道新カルチャー面。《金曜シネマ》はアウシュヴィッツの強制収容所長を主役にしたポーランド映画『関心領域』。函館を舞台とした映画『おいしい給食』(市原隼人主演)も道内で順次公開。

  • チェロの土田英順 デビュー65周年

    2024年05月23日

     元札響首席チェロ奏者の土田英順が、デビュー65周年リサイタルを6月9日にザ・ルーテルホールで開く。日本フィルハーモニー交響楽団の首席を経て、1974年から1997年まで札響で活動した。《音楽会》は広上淳一指揮の札響hitaru定期。評は三浦洋。道新カルチャー面。

  • 『ヤジと公安警察』寿郎社が刊行

    2024年05月22日

     2019年夏の参院選で起きた当時の安倍晋三首相をめぐる「ヤジ排除」事件を題材に、寿郎社が冊子『ヤジと公安警察』を刊行した。編集者で排除された男女2人を支援する「ヤジポイの会」メンバーの下郷沙季が企画した。「つばさの党」の選挙演説妨害と、ヤジを同列視する一部の風潮にもクギを刺している。朝日新聞北海道面。
     オール名寄ロケで昨年撮影された短編映画『運命屋』に主演したミッキー・カーチスが、ニューヨークの国際映画祭「ニューヨーク・インディペンデント・シネマアワード」で最優秀俳優賞を受賞した。ミッキーは2022年から名寄在住。映画は年内公開予定。道新社会面。

  • 斜里のYAコミュ

    2024年05月21日

     斜里町立図書館にある、中高生だけが書き込める原則匿名の掲示板「YAコミュ」が話題になっている。プライベートのコミュニケーションと公共を結ぶ、小さな地域ならではの取り組み。図書館長が岐阜市の取り組みを参考にしたという。

  • 塩狩駅100年

    2024年05月18日

     三浦綾子の小説『塩狩峠』の舞台でもあるJR宗谷線の塩狩駅が、11月で開業100年を迎える。三浦綾子の旧宅を復元した塩狩峠記念館は、2023年の来館者が2295人。うち1040人が道外。サタデーどうしん。
     同じく文化・エンタメ面は、北海道博物館で開催中の特別展「北海道樹木万華鏡」を紹介した。山田航の《札幌零度》はショートショートのような「北24条のニセ廃墟」。
     北見の福村書店の元社長、下斗米ミチが17日、100歳で死去。1947年に夫と書店を開業した。2011年に閉店している。

  • むかわ竜の館 官民協働で建設探る

    2024年05月17日

     むかわ竜(カムイサウルス・ジャポニクス)で知られるむかわ町で、老朽化した町立博物館を官民が力を合わせて新築する計画が進んでいる。現在の博物館では、むかわ竜の骨格標本のレプリカも全身を展示するスペースがないという。建設計画は、2018年の胆振東部地震の復興を優先したため遅れたほか、2022年には町の計画案が「薄っぺらい」と住民の反対により棚上げになった。住民や業者を交えた「穂別博物館未来会議」が計画案を練っている。むかわ竜は、2019年の恐竜博でも人気で、87日間で68万人近い人が訪れた。朝日新聞北海道面。
     浪花のモーツァルトの異名がある作曲家、キダタローが14日、93歳で死去。

  • オペラ『桜の樹の満開の下』日本初演

    2024年05月16日

     坂口安吾『桜の樹の満開の下』を原作としてスロヴァキア国立歌劇場が制作したオペラが、5月31日に札幌のふきのとうホールで上演される。2008年に同国で初演、今回が日本初演となる。バスの大塚博章が山賊役、ソプラノの倉岡陽都美が女性役を演じる。18人のオーケストラと6人の男性合唱による演奏会形式。八木幸三が編曲を監修した。
     石狩市出身の中学生ドラマーYOYOKAが留学中の米国から一時帰国し、5月31日と6月1日に札幌でドラムクリニック、イベント、報告会などを行う。
     桜木紫乃の《居酒屋さくらぎ》は父をモデルとして書かれた(おそらく)『家族じまい』を脱稿したときを振り返っての話。《音楽会》は第660回札響定期(評・中村隆夫)。いずれも道新カルチャー面。

  • コンビニ50年を短歌はどう詠ったか

    2024年05月15日

     コンビニのセブン−イレブンが東京に1号店を開いて50年を機に、山田航が短歌に詠まれたコンビニについて朝日新聞文化面に寄稿。1987年の『サラダ記念日』ではまだコンビニは詠まれていない。88年の小池光〈抒情せよセブン・イレブン こんなにも機能してゐるわたくしのため〉が初期の一首という。自作の〈たぶん親の収入超せない僕たちがペットボトルを補充してゆく〉も紹介した。時代とともに都市生活、労働者、日常風景へと描き方が移ろうという指摘は興味深い。
     三浦綾子の小説『泥流地帯』『続泥流地帯』の朗読会が12日、渡辺淳一文学館で開かれた。上浦の町民が制作した紙芝居も上演された。道新札幌圏版。
     

  • 高浜虚子・年尾の北海道

    2024年05月14日

     高浜虚子、高浜年尾の親子と北海道のつながりに着目した特別展「虚子・年尾と北海道」が北海道立文学館で開かれている。年尾は小樽高等商業高校(現小樽商科大)に進学した。虚子は1897年に創刊された「ほとゝぎす」を引き継ぎ、1901年に「ホトトギス」に変更した。企画に携わった五十嵐秀彦は「ホトトギスの歴史とともに、年尾を通じてできた北海道との深い縁を知ってもらいたい」。6月9日まで。道新カルチャー面。
     小樽、苫小牧、赤井川などでロケした映画『ぼくのお日さま』が、カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品される。監督は奥山大史。道新社会面。

  • 木彫り熊の「聖地」八雲

    2024年05月11日

     サタデーどうしん。木彫り熊の発祥の地のひとつとされる八雲で、第1号の作品が発表されて今年100年になる。歴史や魅力を見つめ直す機運が高まっているという。
    八雲の木彫り熊の仕掛け人は、尾張徳川家の当主徳川義親。1923(大正12)年に旅行先のスイスから木彫り熊を持ち帰った。八雲の酪農家、伊藤政雄が第1号を100年前の3月26日に品評会に出品した。
     道新カルチャー面では、フジコ・ヘミングの札響との共演のエピソードを紹介。
     札幌駅北口の北八劇場が11日に開業する。道新社会面。
     朝日新聞北海道面は、サハリンの植物を長年研究した北大名誉教授の高橋英樹が刊行した『サハリン島の植物』(北海道大学出版会)を大きく取り上げた。698ページの大作。

  • 4コマ漫画『ねえ、ぴよちゃん』2500回

    2024年05月10日

     函館出身の漫画家青沼貴子による新聞4コマ漫画『ねえ、ぴよちゃん』が、4月で連載2500回を迎えた。全国11紙で連載されている。《金曜シネマ》は吉田修一原作の『湖の女たち』。道新カルチャー面。

  • シェア型書店、拡大なるか

    2024年05月09日

     直木賞作家の今村翔吾たちが、東京の神保町でシェア型書店「ほんまる」をオープンした。書店がない自治体が4割を占める北海道でも、可能な取り組みかと。結成20周年を迎えた札幌のミュージカル劇団「もえぎ色」が、8月に札幌ドームでミュージカルや遊具を楽しむイベント「もえぎ色ワンダーランド」を行う。いわゆる新モードでの開催。《道内文学 創作・評論》は小田島本有。《奏で人札響》は、ティンパニ・打楽器首席奏者の入川奨。道新カルチャー面。
     北海道立近代美術館の整備構想は、道が年内にも基本構想を策定する考えを道議会文教委員会で示した。改修、現地新築、移転新築の3案はそのままで、50年間の維持費・大規模改修費を含めると335〜520億円という試算が新たに出てきたが、近美のあり方をどう考えるかの議論はとんと聞かない。このまま基本構想でいいのだろうか。中野北溟記念北のみらい書展は、大賞に幕別町の小室聡美による前衛作品『舞』が選ばれた。恒例の春の院展も始まった。道新社会面。
     朝日新聞文化面に載った嵐山光三郎による唐十郎追悼は痛快。「シチュエーションの会」「状況劇場」のネーミングを体現するかの型破りな行動を、間近で眺め、加担してきた人の文章だ。

  • 『帷子耀習作抄』刊行

    2024年05月07日

     詩集『帷子耀(かたびら・あき)習作抄』(阿吽塾)が刊行された。1968年に甲府市で生まれ、高一にして現代詩手帖賞を受賞。1973年に詩作を中断した。北見の詩人金石稔が編集し、阿吽文庫第1弾としての出版。道銀文化財団のらいらっく・ぎゃらりいは、大通2の「ほくほく札幌ビル」に移転し、15日に開館する。《道内文学 詩》は三角みづ紀。道新カルチャー面。

  • 紅テントの唐十郎が死去

    2024年05月06日

     道新社会面はこの日も書籍、書店の話題。夕張出身の鉄道愛好家奥山道紀が、旧夕張鉄道の歴史をまとめた『夕張鉄道 路線・沿革編』『夕張鉄道 車両編』(RMライブラリー)を刊行した。出版文化産業振興財団の調べによると、今年3月時点で書店がない道内市町村は42.5%に上った。
     劇作家の唐十郎が4日、死去した。84歳。

  • 北海道の野生動物、考古学の書籍刊行

    2024年05月05日

     帯広畜産大の柳川久名誉教授が『北の大地に輝く命 野生動物とともに』(東京大学出版会)を刊行した。ロードキル問題や野生のヒグマについても研究してきた。道新社会面。
     東京大学文学部常呂実習施設と考古学研究室が編集した『オホーツクの古代文化』(新泉社)が刊行された。北海道文化研究常呂実習施設が正式設置されて50年を記念して、専門家が執筆した。道新読書ナビ《ほっかいどう》。

  • ピアソン邸110年

    2024年05月04日

     北見市のピアソン記念館が建設から110年の節目を迎えた。野付牛を拠点にキリスト教の布教や奉仕活動に尽くしたピアソン夫妻が住んでいた。邸宅は2001年に北海道遺産に認定。NPO法人ピアソン会は、春先に道路や邸宅の周りを掃除する「冬あか一掃運動」を続けている。サタデーどうしん。
     同じく文化・エンタメ面は、道内出身の同学年のアーティスト山崎あおいとsnowy(佐々木萌)が、北海道を舞台にした楽曲「White」を配信リリースした。MVは下川町で撮影した。小樽出身のシンガー・ソングライターFurui Rihoがセカンドアルバム『Love One Another』をリリースした。

  • 北八劇場からラジオドラマ

    2024年05月03日

     5月11日の開館を控えた札幌のジョブキタ北八劇場から、演劇関係者によるラジオドラマ「全て上手くはいかなくても〜嘉久治と音二郎の物語〜」が、4月28日にSTVラジオを通じて生放送された。札幌出身の演歌歌手・本間愛音(あかね)のシングル『北の海節」が発売された。キングレコード移籍第1弾。青森で看護師を務めながら歌ってきたという。道新カルチャー面。《金曜シネマ》は、濱口竜介監督の『悪は存在しない』。
     日本芸術文化振興会(芸文振)が、映画や舞台芸術などへの助成金を取り消す要件を厳格化した。「公益が害される具体的な危険があり、かつ公益が重要なものであると認められた場合に限る」と要件を絞った。道新社会面。
     フジコ・ヘミングが4月21日に92歳で死去した。
     札幌10区新聞。北大工学部4年の細野仁は、独学で制作したデジタルアート作品が評価された。学生たちの作品を集めた「未完の大器」展(ギャラリーエッセ、茶廊法邑)で紹介される。本郷新の家政婦だった志村律子、孫の本郷弦による講演会「家政婦が見た本郷新」が6月1日にSCARTSコートで開かれる。

  • 宮の森のゴリラ展

    2024年05月02日

     札幌の木彫作家・小笠原み蔵の個展「宮の森の中のゴリラ展」が、宮の森のギャラリースペースZEROで始まった。これまでに700点以上を制作してきた。道新札幌圏版。
     道新カルチャー面。《展覧会》は、今年3月に89歳で亡くなった旭川の画家・神田一明回顧展(カフェ北都館ギャラリー)。《音楽会》は古楽のムジカ・アンティカ・サッポロによるイタリアンバロック特集の演奏会を取り上げた。評は八木幸三。伊藤氏貴の《文芸時評》。円城塔の《西の国から》。
    米国の作家ポール・オースターが4月30日に、77歳で没した。

  • 東川賞特別作家賞に「北海道101」

    2024年05月01日

     写真の東川賞は今年が40回目。国内作家賞は沖縄の石川真生、特別作家賞は「北海道101集団撮影行動」に贈られた。1968〜1977年に全国の大学生ら延べ600人が参加した。8月3日から受賞作家の作品展が開かれる。北海道書道展が開幕した。いずれも道新社会面。
     詩画作家の星野富弘が4月28日に78歳で、ブライダルデザイナーの桂由美が26日に94歳で死去した。

  • 札幌国際芸術祭ほか季評

    2024年04月30日

     道新カルチャー面。《美術季評》は、札幌国際芸術祭SIAF2024の一連の展覧会をはじめ、旭川、釧路で行われた意欲的な企画展を取り上げた。評は札幌芸術の森美術館学芸員の橋本柚香。北海道文化財団が、希望の大地戯曲賞、アート選奨K基金賞の贈呈式を行った。戯曲賞大賞は神戸市の七坂稲、優秀賞は東京の鈴木アツト、K基金賞は亜璃西社。中島岳志《論壇時評》は小池都知事の学歴詐称疑惑について。

  • 『左手のフルーティスト』刊行

    2024年04月29日

     札幌のフルート奏者で建築家の畠中秀幸が自伝『左手のフルーティスト』(音楽之友社)を刊行した。舘野泉との対談も収録している。自身が設計した西区のクリークホールを皮切りに、8月までのツアーも始まった。道新社会面。

  • 虚子とホトトギス

    2024年04月28日

     北海道立文学館で開かれている特別展「虚子・年尾と北海道」に関連し、俳人の五十嵐秀彦が虚子が長く主宰を務めた「ホトトギス」について講演した。

  • 文書館の仕事

    2024年04月27日

     朝日新聞読書面《著者に会いたい》。『文書館のしごと アーキビストと史料保存』を著した認証アーキビスト新井浩文を紹介している。〈いつの時代にも残すべき記録を残そうと考えた人たちがいて、我々はその恩恵を受けているわけです。現在は過去の積み重ねで、文書が残されていなければ検証できず、そこから学ぶこともできません〉
     STVラジオのパーソナリティ河村通夫が『北斎時代の「絵手本」で「絵皿」を解く 花・七福神の巻』(淡交社)を刊行した。絵皿のデザイン集とも言える絵手本を調べ、絵皿の絵柄に込められた意図などを読み解いた。昨年末から相次いでドキュメンタリー映画を公開したHBC、UHB、HTBの製作者が集まるトークイベントが5月26日、かでる2・6で開かれる。《展覧会》は北海道立近代美術館で開催中の「琳派×アニメ」展。道新カルチャー面。

  • 花見ジンギスカンどうよ?

    2024年04月25日

     道新札幌圏版の《みなぶん特報班》は、札幌・円山公園の花見ジンギスカンが禁止になったことへの賛否を調査した。6割近くが禁止に賛成。花見ジンギスカンの経験者としては、ノスタルジックな擁護の気持ちはあるし、肉の匂いより桜の香りという説に、そこまで繊細じゃないしとも思う。ただ、これは文化であるから残すべきだと真っ向から主張するのもいかがなものか。意見が割れて当然かもしれない。

  • 河﨑秋子が講演

    2024年04月24日

     道新社会面。北海道政経懇話会で直木賞受賞の河﨑秋子が「大地から芽吹く物語」と題して講演した。生い立ちから北海学園大の文芸サークルでの執筆、羊飼い時代、道新文学賞への挑戦などを語り、「北海道に人が生きて自然がある限り、私は物を書き続けるし、掘り続ける物語の種は多い」。
     文芸評論家の粟津則雄が19日に死去、96歳。
     道新札幌圏版《ディープに歩こう》琴似編は、コンカリーニョを取り上げた。1995年に開館。NPO法人が運営してきたが、JR琴似駅北口の再開発で立ち退かざるを得なくなった。寄付を募ったところ、1600万円が集まり、2006年に現在地で再開した。

  • 舟越桂追悼

    2024年04月23日

     道新カルチャー面にも、舟越桂追悼。4月14日に掲載した朝日新聞と同じ酒井忠康の談話体で、おそらく共同通信社稿だろう。「彫刻の詩人」であり、話題の尽きない人と把握することは一緒。具象彫刻にこだわり続けたことの分析が面白い。〈時代の表情を敏感に捉えるのではなく、ゆっくりゆっくり時代の空気を吸っていた。だから彼の仕事はいつになっても安心して見ていられるんだ〉
    《村雨ケンジのこのコマを見よ》は、弘兼憲史『黄昏流星群』。《音楽会》は、藤原道山の尺八とSINSKEのマリンバ演奏会。評・三浦洋。
     道新社会面の短信に、手塚治虫文化賞のマンガ大賞に、ヤマザキマリ、とり・みき『プリニウス』。
     札幌圏版には、渡辺淳一の没後10年を記念する追悼朗読会を、札幌の渡辺淳一文学館で4月27日に開くとの記事。ドラマチックリーディンググループ「蔵」が朗読する。

  • 札幌の中1 バレエコンクール1位

    2024年04月22日

     道新社会面。札幌の中学1年生・山田優七(ゆな)がバレエコンクール「ユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)」の9〜11歳のクラシック部門で1位になった。朝日新聞北海道面には、高校野球に特化した雑誌「北の球児たち」が50号に達したとの記事。高校野球ライター・長壁明がひとりで取材、撮影、執筆、編集を担当してきた。13年間の粘り強い仕事。

  • 日ロ文化交流に賛否

    2024年04月21日

     ロシアとの文化交流に賛否の声がある。日本政府は対ロシア制裁とウクライナ支援を続けているが、文化交流は一部再開する。22日から東京でロシア文化フェスティバル。道新社会面。北海道立帯広美術館では故星野道夫の写真展が11年ぶりに単独開催されている。6月30日まで。

  • 5月に始動 北八劇場

    2024年04月20日

     道新カルチャー面。札幌駅北の新劇場「ジョブキタ北八劇場」が、5月11日に開館する。226席。芸術監督を務める俳優・演出家・劇作家の納谷真大(まさとも)は、キーワードは「多様性」と「創る劇場」であると。ダンスやライブにも適した劇場機能と駅直結、車いす対応などの条件から、「誰に対してもウエルカムな、開かれた空間を目指す」。演劇人育成のワークショップなども手掛ける。山田航の《札幌零景》。

  • アイヌ民族のサケ漁権認めず

    2024年04月19日

     浦幌町のアイヌ民族団体「ラポロアイヌネイション」が国と道に対して、サケ漁を行う権利の確認を求めた行政訴訟は、18日に札幌地裁がアイヌ民族の請求を棄却した。〈原告にサケ漁捕獲権があるとは認められない〉。道新一面。
     アンドレイ・タルコフスキーの映画『ノスタルジア』が、1983年の作品完成から40年を経て4K修復された。シアターキノで5月4日から10日まで上映される。札大教授の谷本和久(ロシア文学)が作品の背景などについて、道新カルチャー面に寄稿した。〈映画のタイトルのノスタルジアは故郷ロシアに対するものであると同時に、失われてしまった美に対するものでもある。教会の廃墟が繰り返し現れるのは、私たちの世界が「損なわれた」ものであることを伝えるためだろう。《金曜シネマ》は『プリシラ』。
     道新10区新聞では、札幌を舞台とする小説『サイレント・ヴォイス 想いをのこして跡をたどる』(ことのは文庫)を書いた松田詩依が紹介された。札幌の「999人の第九」の会は、第1回の演奏会から今年で40周年。
     朝日新聞文化面は、文化庁が取り組む漫画のアーカイヴ事業について。原画やネーム、セル画などの資料を保存するための実証実験で、ちばてつやの協力を得て2023年度から調査が始まった。昨年は出版社や美術館などでつくる民間組織「マンガアーカイヴ機構」も発足したが、国の関与が必要との声が上がっている。

  • 暮らしと仕事

    2024年04月17日

     道新カルチャー面。1月に始まった西條奈加エッセイ《ヤドカリ日記》は、帯広でヤドカリ暮らしをしていた当時から、東京の専門学校に通って翻訳家を目指した当時のこと。看護師を勤めながら撮影を続けている旭川出身の写真家・半田菜摘の写真集『カムイ』(日経ナショナルジオグラフィック)が刊行された。世代は異なるも、暮らしと仕事の両立を目指して打ち込む人たちがいる。

  • 馳星周『フェスタ』

    2024年04月16日

     道新カルチャー面。浦河町出身の直木賞作家、馳星周の競馬小説『フェスタ』(集英社)を刊行した。主人公は浦河で競走馬の育成牧場を営む親子。凱旋門賞レースをテーマとしている。《社会時評》は安田菜津紀。《音楽会》は「未来へつなぐコンサート 特別公演」。評は八木幸三。
     道新社会面。旭川の小熊秀雄賞は、京都の姜湖宙(カン・ホジュ)の『湖へ』(書肆ブン)に決まった。白糠アイヌミュージアム・ポコロが、14日にオープンした。町が旧アイヌ文化拠点施設「ポコロモシリ・チセ」を改修した。高床式食料庫「プ」、熊檻「エペレセツ」やチセなどを整備した。
     第71回写真道展の入賞作の特集紙面も掲載された。

  • 北海道書道展特集

    2024年04月15日

     道新には、第65回北海道書道展の特集紙面。大賞の土井伸盈(のぶみち)の作品は詩文書「回帰の鮭 波ひゞきを背にうけて」。旭川の詩人新井章夫による言葉。

  • 『はじめての虫さがし』

    2024年04月13日

    北海道博物館の堀繁久学芸員が、子ども向けの昆虫採集ガイド『ほっかいどう はじめての虫さがし』(北海道新聞社)を刊行した。ダンゴムシ、カタツムリ、バッタについて解説している。道新社会面。
     新国立劇場は、ポーランドのクシシュトフ・キェシロフスキ監督の映画『デカローグ』を4月から7月まで上演する。旧約聖書の十戒をモチーフとする全10話で、1話目には標茶町出身の高橋惠子も出演する。演出は演劇芸術監督の小川絵梨子と上村聡史。道新カルチャー面。

  • 反田恭平&JNOが夏に札幌公演

    2024年04月12日

     2021年のショパン国際ピアノコンクールで第2位を受賞した反田恭平が率いる「ジャパン・ナショナル・オーケストラ(JNO)」が、8月27日にKitaraで初めて公演する。JNOには札響からも、ヴァイオリンの桐原宗生とオーボエの浅原由香が参加している。ベートーヴェンの交響曲第2番などを演奏予定。7月13、14日にいわみざわ公園音楽堂キタオンで開かれるジョインアライブの出演者第1弾25組が発表された。氣志團、SUPER BEAVER、10-FEET、AJICO、imase、小泉今日子、HYDEら。道新社会面。
     旭川出身の漫画家・藤田和日郎の『黒博物館 ゴーストアンドレディ』(講談社)を原作とするミュージカル『ゴースト&レディ』を、劇団四季が5月に東京で上演する。《金曜シネマ》は『陰陽師0』。道新カルチャー面。

  • 『北の国から』の中嶋朋子

    2024年04月11日

     朝日新聞北海道面。JR根室線の富良野―新得間の運行終了に合わせ、『北の国から』に出演した中嶋朋子がインタビューに応じた。撮影当時、列車が出てくるシーンがあると、運行本数が少ないため撮影が限られ、とても1日では終わらないと感じたそう。〈8歳から30代まで、一番濃密な、いろんな変化のある時間を(ドラマと)共に過ごした。だから一つの人生なんですよね。私の人生というより、『北の国から』という別の人生があるという感覚なんです〉
     道新カルチャー面。《音楽季評》は、ピアノ王国・北海道を支える日本ショパン協会北海道支部の創立50周年記念コンサート、LCアルモーニカの『アンドレア・シェニエ』ほか。キタラと札幌音楽家協議会の連携プロジェクトによる「札幌の音彩Ⅰ」では伊福部昭『アイヌの叙事詩による対話体牧歌』、ブラームス『四つの歌』が演奏された。評は三浦洋。《奏で人・札響》はクラリネット首席奏者の三瓶佳紀。第50回美工展の北海道美術工芸展協会賞は、札幌の志水文恵『イマジナルセル』に決まった。児童文学の新人賞「福島正実記念SF童話賞」に、小樽の会社員やませたかゆき『ぼくがぼくに返信する方法』が選ばれた。

  • 道近美整備3案の試算

    2024年04月10日

     道新社会面。老朽化した北海道立近代美術館の三つの整備案それぞれの費用試算・休館期間がまとまった。改修案は75〜95億円・工事による休館は2年、現地新築案は165〜200億円・休館は4年、移転新築案は150〜185億円・休館は1年。

  • 『七帝柔道記』続編

    2024年04月09日

     道新カルチャー面は、『七帝柔道記Ⅱ 立てる我が部ぞ力あり』(KADOKAWA)を書いた作家・増田俊也インタビュー。古谷経衡の《考えるピント》は、ギャンブル依存症を取り上げた。《あにけん!》は、リモート作業が可能なことを強みとして成長を続けた新型コロナ禍のアニメ業界。
     道新札幌圏版。《ディープに歩こう》第10部・琴似のプロローグ。

  • ダーチャ・マライーニ 6月来日

    2024年04月07日

     イタリアの作家ダーチャ・マライーニ(87)が6月に来日する。父フォスコ・マライーニがアイヌ文化を研究するため北大にいたころ、スパイ容疑で学生らが逮捕された「宮沢・レーン事件」の宮沢弘幸、レーン夫妻と交流があった。ダーチャは昨年、宮沢との交流など反省をまとめた『Vita Mia』を刊行している。「宮沢・レーン事件を考える会」が招いた。道新社会面。
     道新《読書ナビ》の「ほっかいどう」は、山内正明『さっぽろ歴史&地理さんぽ』(亜璃西社)。著者は高校で地理を教える教員らのグループ「札幌地理サークル」の前会長。地名にこめられた歴史を掘り起こしている。

  • 日本文化人類学会が正式謝罪

    2024年04月06日

     日本文化人類学会の真島一郎会長が5日、オンライン記者会見でアイヌ民族をめぐる過去の研究姿勢について正式に謝罪した。1日には声明を発表していた。
     道新カルチャー面は、札幌交響楽団の正指揮者3年目となる川瀬賢太郎インタビュー。名古屋フィルハーモニー交響楽団音楽監督、オーケストラ・アンサンブル金沢のパーマネント・コンダクター(常任指揮者)の立場にもある。〈札響は圧倒的にリハーサル初日のクオリティーが高い。楽団員のみなさんがきっちり準備してくれているということでしょう〉。吹奏楽部や合唱部などへのアウトリーチもアイディアとして持っているそう。《音楽会》は3月11日に行われた声楽グループ「ラ・フォンテヴェルデ」の演奏会。ドイツ三十年戦争のころに生まれたハインリッヒ・シュッツの『音楽による葬送』などを演奏し、東日本大震災への鎮魂を掲げた。評は中村隆夫。他に《穂村弘の迷子手帳》。

  • ライジングサンは8月16、17日

    2024年04月05日

     道新カルチャー面。クリエイティブオフィスキューの若手タレント、阿部凜が、舞台、ドラマ、グラビアなど全国区で活動している。《金曜シネマ》は『パスト ライブス/再会』。今年のライジングサン・ロックフェスティバル(RSR)は、8月16、17日。スピッツが21年ぶり、スカパラは20回目の出演となる。
     昨年7月にオープンした札幌・狸小路の水族館「AOAO SAPPORO」の一角に、1200冊の蔵書を読めるスペースがある。書籍ディレクターが選書を担当している。道新札幌圏版。
     札幌出身の芥川賞作家・加藤幸子が死去した。3月30日、87歳。

  • 『虹と雪のバラード』廃止残念7割

    2024年04月04日

     道新札幌圏版《みなぶん特報班》は、地下鉄駅の札幌五輪テーマ『虹と雪のバラード』廃止の是非。「廃止は残念」が全体の7割を超えた。市は希望が多ければ復活する可能性があるとしている。
     道新カルチャー面。全国の女子大で、理系学部の新設が増えている。これまで理系学部に女性が少なかったのは「高校の進路選択の段階で高額の魅力を伝えきれていないのではないか」と2020年に建築学部を開設した武庫川女子大の教授。アーサー・ビナード《言の葉工務店》、桑原憂太郎の《道内文学 短歌》。
     道新10区新聞には、札幌・西区発寒にオープンした音楽専用ホール「クリークホール」(30席)の記事。音楽専門の編集者・小川直と妻の英李が、築50年の古民家を改修した。小樽在住のシンガー・ソングライター雷神古俣のライブが20日に時計台ホールで開かれる。指が動かなる難病を患い、独自の奏法を編み出した。北海道銀行本店の壁面に飾られていた本郷新、山内壮夫、佐藤忠良が1964年に制作したレリーフ『大地』の制作記録映像『三人の手』が、11日にSCARTSで上映される。

  • AIと文章

    2024年04月03日

     河﨑秋子が母校北海学園大の入学式で祝辞を述べた。道新デジタルに全文掲載。主にAI文章について述べた。〈本を心から愛する読者の方や、日頃資料や論文に接している先生方など読むことに熟達している方ほど、文章の細かな癖や書いた人の人となりを、場合によっては書いた本人以上に嗅ぎ取ってしまいます。/そうなるとAI文章の上手さというのは、せいぜい文の表面を整えるぐらいの意味にしかなりません。むしろ文章作成のためではなく自分以外、人間以外の視点を獲得するために、AIを活用した方が有効であろうと個人的には思っています〉
     北海道教育大名誉教授の木村方一らが解説する『北海道絶滅動物館』(北海道新聞社)が刊行された。恐竜やナウマンゾウの復元図は、札幌のボールペン細密画家・浩而魅諭(ひろじみゆ)が担当した。

  • イサム・ノグチ生誕120年

    2024年04月02日

     道新《発信》は「モエレ沼公園 イサム・ノグチ生誕120年」。2022年度のモエレ沼公園の利用者が98万人の過去最高を記録した。
     札幌の絵本作家かとうまふみによる『よつばのおはなし』原画展が、札幌・中島公園の657美術館で開かれている。657は中嶋児童会館と人形劇場「こぐま座」をつなぐ通路にある美術館。7日まで。札幌圏版。
     道新カルチャー面は、伊藤氏貴の《文芸時評》、五十嵐英彦の《道内文学 俳句》ほか。

  • 日本文化人類学会がアイヌ民族に謝罪

    2024年04月01日

     日本文化人類学会は1日、アイヌ民族遺骨の不適切な取り扱いや当事者不在で行われてきた研究について反省し、謝罪する。前身の日本民族学会が1989年に「反省」の見解を出しているが、以後の活動に十分生かされなかったと総括している。同じ道新社会面には、アイヌ民族と和人の交流を描いた映画『シサム』の先行試写会の記事も。ロケ地の白糠町で31日に行われ、中尾浩之監督と出演者が記者会見した。松前藩士が主人公。秋に全国公開される。山海塾主宰の天児牛大が74歳で死去、3月25日。

  • アイヌ民族の戦後史

    2024年03月31日

     道新札幌圏版。米バークリー音大の講師がジャズを教える「北海道グルーブキャンプ2024」のライブが、札幌芸術の森で開かれた。5年ぶり。バークリー音大のタイガー大越が指導した。
     第71回写真道展は、森町の高村忠峰の『薫炭なるベール』が大賞となった。29日に彫刻家の舟越桂、死去。72歳。2010年に亡くなった母道子は釧路出身。道新社会面。
     朝日新聞北海道面は《ポンペ物語 アイヌ民族の戦後史》。1960年代以降、アイヌ民族の復権や文化復興を目指し、さまざまな運動が盛んになった。1977年12月には、北海道経済史の北大教授が「アイヌの歴史は切り捨てる」と差別発言をしたことに反発した北海道ウタリ協会の結城庄司理事が、北大で座り込みをした。1974年、結城はシャクシャイン像の台座から「知事 町村金五書」の刻字を削り取ったとして、過激派との関係を疑われて逮捕される。1982年には豊平川で、約100年ぶりのアシリチエプノミを実行委員長として復活させた。

  • 北区の子どもに木のおもちゃ

    2024年03月30日

     道新札幌版。札幌市北区が、区内で生まれた子すべてに木製のおもちゃを贈る事業「木々(きき)」を始めた。なぜ木か。北区は、市が管理する街路樹や公園の樹木が多く、伐採木が多く発生するのだと。円山動物園で販売している動物積み木を作っている「草の実工房もく」が製作する。道新札幌圏版。狸小路10丁目の「ひょうたん横丁」が、70年の歴史に幕を下ろす。
     サタデーどうしん文化・エンタメ。ハイメスコンクールの管弦打楽器部門は、江別出身の朝倉愛(クラリネット)が最優秀賞となり、海外研修費50万円が贈られた。優秀賞は、マリンバの稲葉百花(苫小牧出身)ヴァイオリンの中村洋太(札幌出身)テューバの藤田裕人(同)。《展覧会》は独立展北海道展。
     横路孝弘のオーラルヒストリーは道新社会面にも。道内マターについては、北方領土、核ごみの最終処分場文献調査、萱野茂のアイヌ語による国会質疑などに触れた。
     アサヒ北海道写真展で、札幌の吉田守登の『釣人』がアサヒ大賞を受賞した。

  • 三原順の世界

    2024年03月29日

     道新カルチャー面は、東京で開かれている三原順(札幌出身)の「三原順の空想と絵本展」の紹介。山下和美(小樽出身)や笹生那実が始めた世田谷区豪徳寺のギャラリー「旧尾崎テオドラ邸」に、代表作の『はみだしっ子』の原画や、関連する遺品を展示した。テオドラ邸は築136年の洋館。《金曜シネマ》は話題作『オッペンハイマー』。
     札幌10区新聞。札幌出身のグラフィックデザイナー渡辺隆雄(1943〜2023)の回顧展「ワタキン 渡辺隆雄展」がマリヤギャラリーで4日から開かれる。北大正門前にあった金門堂書店の三男で、北海道学芸大札幌分校特設美術科を卒業後、東京のデザイン事務所を経て博報堂に入社。ホンダのスポーツカーやF1などの広告を手がけた。渡辺が遺したポスターや水彩画を展示する。10区新聞編集部がすすめる《本のじかん》は、本郷新の次男で俳優の淳が書いた『おやじとせがれ』(求龍堂)。
     朝日新聞夕刊1面は、この日に公開された佐藤栄作の沖縄密約問題を国会で追及した横路孝弘(当時社会党)のオーラルヒストリーの速報。沖縄戦で接収された土地の現状回復補償費400万ドルを、沖縄返還の協定に反して日本政府が秘密裏に肩代わりしたと毎日新聞が報じ、横路が国会で取り上げた。

  • 神田一明、長逝

    2024年03月28日

     旭川の画家・神田一明が14日、89歳で死去した。彫刻家リチャード・セラは26日、85歳で死去。
     創成川の東地区で85年にわたって営業してきた銭湯「七福湯」が31日で廃業する。市内で3番目に古いという。札幌・北区の画家・多田伸司の水彩画展が、ギャラリー大通美術館で開かれている。道新札幌圏版。
     朝日新聞夕刊に、金沢での興味深い試み。「第1回金沢国際実験音楽祭」が3月6〜10日に開かれた。北陸にゆかりのベルリン、台湾、南米のアーティストを招いた。作曲家・足立智美の提唱。ボイスパフォーマンス、即興、電子音楽など。ローカリズムを突き詰めることが、世界へつながる事例であり、「わからないものや、わからない人に対する想像力の欠如」に気づかせ、「他者に対する想像力を鍛える」ことが究極の目標という。

  • 乗代雄介の流儀

    2024年03月27日

     昨年12月に『それは誠』で織田作之助賞を受賞した江別出身の作家・乗代雄介。贈呈式で「歩くのが好きで、それを小説に生かしているつもりです」。東京都日野市に2ヶ月近く泊まり込み、朝昼晩と街の風景を見続けた。「(このような書き方をする作家は)ほかに思い当たらないが、それでも認めていただけたのは心強く思う」
     第65回北海道書道展の入賞者が発表された。大賞は土井伸盈(しんえい)の詩文書に決まった。道新社会面。

  • 一房の葡萄ふたたび

    2024年03月26日

     道新カルチャー面。有島武郎の童話『一房の葡萄』の文庫本と絵本版『ひとふさのぶどう』を、中西出版が刊行した。昨年の有島没後100年を記念しての企画。ニセコ町の有島記念館によると、若い世代の有島の知名度が低下しているという。絵本は、なかいけいが絵を、けーたろうが文を担当した。北海道立文学館は、札幌出身の加清純子の油彩画『H子』を28日から公開する。苫小牧の苫美堂を経営する加藤和東(かずとも)が文学館に寄贈した。4月6日まで常設展示室に飾る。中島岳志の《論壇時評》は大相撲と「入日本化」の概念について。《漫画最前線》は榎本俊二『ザ・キンクス』。

  • いろりっこの会

    2024年03月25日

     芥川賞作家・高橋揆一郎が設立した童謡や唱歌を歌う札幌の市民団体「いろりっこの会」の例会が250回を迎えた。1990年設立。高橋が作詞した『いろりっこの子守歌』をオープニングに歌っている。道新札幌圏版。

  • 富良野―新得間の記憶

    2024年03月24日

     映画『鉄道員(ぽっぽや)』の撮影を担当した木村大作(84)の講演が、ロケ地の南富良野町で開かれた。映画に出てくる「幌舞駅」は幾寅駅がモデル。JR根室線富良野―新得間は3月で廃線になり、町が幾寅駅を保存活用する方針という。北海道立近代美術館では、第90回記念独立展北海道展が開かれている。道内巡回は2018年以来。道新社会面。
     同じ根室線の一部廃線をめぐる話題でも、朝日新聞北海道面は、ドラマ『北の国から』の舞台である布部駅をクローズアップ。駅前商店の店主坂口道郎に取材した。戦没した父の思い出、「汽車通」の様子、そしてドラマのロケシーンとの遭遇。田中邦衛、竹下景子、子役で出演していた吉岡秀隆、中嶋朋子の当時のサイン。撮り鉄たちの写真に、風景や景観を見直す新たな視点を与えられたとも言う。〈廃駅は残念だが、その後もこの風景は残る。最後にそのことに気づけただけでも救われた気がする〉
     ピアニストのマウリツィオ・ポリーニ死去、82歳。

  • PMF2024にグランディ客演

    2024年03月23日

     34回目となる今年のPMFの概要が発表された。7月10日から30日まで。首席指揮者はマンフレート・ホーネック。客演は次期札響首席となるエリアス・グランディ。日本ミステリー文学大賞の贈呈式が東京で開かれ、受賞した三笠出身の今野敏は「これからも書き続けることがミステリー界全体への恩返しになると覚悟を新たにしています」。井上靖文化賞は、写真家の石内都と遠軽出身の安彦良和に決まった。鹿追が舞台の映画『おしゃべりな写真館』は札幌の上映会が好評で、小樽、江別、旭川、釧路、北見でも上映することが決まった。道新社会面。
     九九が言えない子供たちを生む義務教育に警鐘を鳴らす『「九九」が言えないまま大人になる子どもたち』(寿郎社)が刊行された。著者の平山裕人は元小学校教員。九九を暗記したかどうかの点検は、教育課程で求められていないという。《展覧会》は南区のアーティストたちによる「ガパージュ 隙間のページ」。優れた写真家に贈られる周南市の林忠彦賞を、岩手の写真家奥山淳志の写真集が受賞し、来年1月に東川町文化ギャラリーでも受賞作写真展が開かれる。道新カルチャー面。

  • アイヌ文化PRコーナー移設へ

    2024年03月22日

     札幌市は、サッポロファクトリーにあった「アイヌ文化PRコーナー」を、10月に地下鉄大通駅コンコースの大通交流拠点地下広場に移設する。アイヌ文化体験や工芸品購入ができる。広場にあった大通情報ステーションは3月で廃止する。地域に根付く食文化を認定する文化庁の「100年フード」に、石狩鍋が選ばれた。すでに釧路のそば、余市のひる貝カレー、帯広の豚丼が認定されている。道新札幌版。
     道新カルチャー面。札幌出身のトライプレインがデビュー20周年を迎え、ベストアルバム2枚を同時発売し、47都道府県ツアーも行う。《金曜シネマ》は『COUNT ME IN 魂のリズム』。鹿追町を舞台にした映画『おしゃべりな写真館』が帯広に次いで札幌でも上映される。

  • 札幌同期二人展

    2024年03月21日

     9日から24日まで東1丁目劇場で開かれている「『あさきゆめみし』×『日出処の天子』展―大和和紀・山岸凉子 札幌同期二人展―」のトークイベント詳報。大和は札幌に生まれ20歳まで、山岸は上砂川に生まれ13〜22歳を札幌で過ごした。それぞれの代表作が古代日本をテーマとしたことに「私たちの共通点は乾燥系だから」(大和)と話した。設立を目指す北海道マンガミュージアム構想の関連で、北海道に漫画家が多い理由として「北海道には新天地を求めて来た、ある意味はみ出した人が多いから(新たなものを)描けるのでは」(山岸)と分析した。朝倉かすみ《わたしがちゃんこかったころ》も、大和・山岸展を話題にしている。《シロカニペ 銀の滴》は、知里幸恵の復刻された直筆ノートが12年ぶりに再刊されたという話題。《音楽会》は尾高忠明が降板した第659回札響定期(評・三浦洋)。札響コントラバス奏者・大沢敬の還暦コンサートの告知も。道新カルチャー面。

  • 地域の書店存続のために

    2024年03月20日

     道新の《水曜討論》は「マチの書店 存続の鍵は」。いわた書店店主の岩田徹は、1万円選書の効用をあらためて。ISBNコードが印刷されたことで、都市や郊外の大型書店やチェーン店が売れ筋の本だけを素早く並べることができるようになった〈毎日数百点も出る新刊本から本屋自身が面白い本を並べないと、客は店頭から離れます。何が売れているかではなく、面白い本を探したいのです〉。作家の今村翔吾は「シェア書店」の魅力を語る。
     札幌市は新しい認定制度「地域文化財」の候補4件を発表。無形民俗文化財は篠路歌舞伎、新琴似歌舞伎。有形文化財は苗穂小学校学校記念館と明治30年代に建築されたとみられる個人住宅。道新札幌版。
     11月に開かれる「北海道フードフィルムフェスティバル」のプレイベントが19日に開かれた。クリエイティブオフィスキューと道新による実行委主催。食に関するドキュメンタリー映画「(仮)北の食景」を制作している。
     朝日新聞北海道面。盗まれることが多い駅ノートは廃線、廃駅が決まると被害が増す傾向にあるそうだ。埼玉県本庄市の65歳の医師が、旅先の駅ノートを撮影したものを冊子にする「復元」を続けている。

  • アイヌの建築と工芸展

    2024年03月19日

     道新1面に、東京の国立近現代建築資料館で、ウポポイ主催の「アイヌの建築と工芸の世界」展の記事。映画『ゴールデンカムイ』の効果もあってか、開幕から17日間で3,500人が来場する異例の人気という。
     道新カルチャー面は、芥川賞を受賞した九段理江のエッセー。安田菜津紀の《社会時評》、三角みづ紀の《道内文学 詩》。《展覧会》は、北翔大学の「Work Progress」。2月に90歳で亡くなった旭川育ちのグラフィックデザイナー遠藤享(すすむ)の追悼展が、銀座で開かれている。

  • 旧ジャッカ・ドフニの資料展示

    2024年03月17日

     北海道立北方民族博物館が収蔵するサハリン少数民族ウイルタの企画展が、16日から東京・高島屋史料館TOKIOで始まった。ウイルタ民族のゲンダーヌ(北川源太郎)が制作した民族資料は、1978年にゲンダーヌらが網走に開設した「ジャッカ・ドフニ」で展示していたもの。2010年に公開を終了したため、北方民族資料館に引き継がれた。

  • ウエスギ専務の17年

    2024年03月16日

     道新カルチャー面は、3月で終了するSTV『ブギウギ専務』の上杉周大インタビュー。25歳から42歳まで17年間続いた。大空町に住む講談師・神田山陽が網走と札幌で朗読劇『キャンプ TO キャンプ〜想像力の届く果てまで』を上演する。山田航《札幌零景》は、南区川沿の元ボウリング場だった電器店。
     道新社会面には、台湾先住民族の博物館「台湾原住民族文化圏区」の専属舞踊団「ナルワン音楽舞踏団」の特別公演が16、17日にウポポイで上演されるという記事。

  • 『ふてほど』は不適切か?

    2024年03月15日

     朝日新聞文化面は、宮藤官九郎作のドラマ『不適切にもほどがある!』をしっかり論じている。過剰なコンプライアンス、ポリティカルコレクトネスへの風刺やレトロなカルチャーへの一方的な賛美だけでなく、世代間の「常識」の差異を描いて考えさせるのだが、フェミニズムをはじめ社会的弱者の問題に長年かかわってきた研究者は「肯定か炎上かの二極化の方に寄与している」との受け止め。こうした記事を通じて議論が深まることこそ、クドカンの想定どおりだろう。
     100歳の書家中野北溟がの作品を常設展示する「中野北溟記念室」を、札幌市が来年3月末までに教育文化会館2階に開設する。羽幌中央公民館の「書の北溟記念室」に続く施設。昨年5月に作品731点(評価額約13億6200万円)を寄贈していた。道新社会面。
     道新カルチャー面の《金曜シネマ》は『デューン 猿の惑星PART2』。
     札幌10区新聞には「北海道古文書解読サークル」が昨年、創立30周年を迎えたという話題。毎月第3土曜の午後に、かでる2・7に集まって解読を進めている。簾舞と近隣地区の歴史を綴った『簾舞・豊滝・砥山 百五十年史〜旧簾舞通行屋開設150年の歩み』が刊行された。簾舞地区まちづくり連合会がまとめた。

  • 偽ビートルズ

    2024年03月14日

     道新札幌圏版に、H-1甲子園(ハイスクールマンザイ)で優勝した漫才コンビ「偽ビートルズ」が取り上げられた。石狩高と新川高の2年生コンビ。栄町中の同級生だったが、それぞれ高校に進んでからコンビを結成した。コンビ名は「面白そうな名前」だからと付けただけで、ビートルズの曲は知らないそうだ。
     道新社会面。北海道戯曲賞大賞に神戸の七坂稲『迷惑な客』、優秀賞に鈴木アツト『犬と独裁者』が選ばれた。
     朝日新聞《明日へのLesson》は、株式会社COTEN代表の深井龍之介。メタ認知のきっかけを提供するとのミッションはわかりにくいが、世界史のデータベースを感覚的に理解しやすい形で提供して学びに結びつける活動のようだ。

  • 用済みの歌 復活する歌

    2024年03月13日

     札幌市営地下鉄の到着メロディーだった『虹と雪のバラード』が今月中に放送中止となることに、市民から継続を望む声があるという。市は五輪の招致活動断念に伴い、と説明している。著作権の使用料が年間50万円かかることも理由のひとつだろう。また招致活動が始まれば復活させるという。そもそも招致活動に利用しただけ、用済みだということか。同じ道新社会面には、千秋庵製菓の看板商品「山親爺」のテレビCMを26年ぶりに再開するとの記事も。こちらは商品パッケージの刷新に合わせ、新しいアレンジで放送する。歌は函館出身のYUKI。
     道内でもたびたび展覧会が開かれ、人気があったスウェーデンの陶芸家リサ・ラーソンが92歳で死去。朝日朝刊には、同じく動物をモチーフにした画家・谷川晃一の訃報も並んでいる。
     道新札幌版では、南区唯一の図書館である澄川図書館を、2032年に供用開始予定の地下鉄真駒内駅の複合庁舎へ移転する計画に、住民が反対しているとの記事。

  • 句読点問題を多角的に

    2024年03月12日

     中村和恵の《考えるピント》は、2月20日の同欄で武田砂鉄が書いた「「句読点怖がる」言説に思う」を受けての原稿。〈変化していく現在に自分の未来を見いだす人と、過去に安らぎを見いだす人は、求めるものが違う〉と述べ、自分なりのやり方を貫く宣言をしている。〈異なるものが異なるままに、同じ時代に隣人として存在する、そのやりかたを、お互いに学べるはずだと考えるから。多くの民が、また動物たちがそうしてきたように〉。複数の論者による多角的な現代社会論は興味深い。
     道新カルチャー面では、漫画『セクシー田中さん』の芦原妃名子が自殺した問題の背景を論じている。日本テレビのドラマが、原作の意図を正しく反映しなかった経緯があり、SNSが炎上したため作者が心を痛めた、ともみられている。原作改変が制作側と作者の間で問題になり、作者が終盤の脚本を担当せざるを得なかった。上智大の音好宏教授は「テレビドラマには、さまざまな意向を反映した妥協の産物、という側面がある」とし、番組関係者の調整能力の欠如を問題視する。対策として、契約の明文化や弁護士の代理人を立てることなどを識者が提言している。

  • 米アカデミー賞に日本映画2作

    2024年03月11日

     朝日新聞夕刊は、米アカデミー賞の授賞式で、山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞、宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞を受賞したと報じた。視覚効果賞は監督以外のスタッフが受賞することが多く、監督としては『2001年宇宙の旅』のキューブリック以来2人目という。宮崎監督の受賞は2003年の『千と千尋の神隠し』以来2回目となる。

  • 大和和紀と山岸凉子

    2024年03月10日

     朝日新聞北海道面には、東1丁目劇場で開催中の大和和紀・山岸凉子2人展の詳報。初日9日のトークイベントでは「札幌同期」の2人が、雪まつりを訪れた手塚治虫に原稿を見てもらったエピソードも。今後について、山岸は「安彦良和先生が(展覧会を)やってくれればすごいだろうと思う」と話した。
     道新読書ナビの《ほっかいどう》は、柳原滋雄『実録・白鳥事件』(論創社)。フリージャーナリストが1952年の白鳥事件について執筆した。

  • 障がい者アート展

    2024年03月09日

     道新札幌版。札幌市民ギャラリーで「北海道障がい者のアート展〜みんなのイマジネーション〜」が開かれている。道教育大のHUGでは、岩見沢校美術文化専攻の学生の展覧会「more over」も。
     サタデーどうしん文化・エンタメ面には、札幌在住の歌人芸人・岡本雄矢の2冊目の著書『センチメンタルに効くクスリ』(幻冬舎)を出したとの記事。

  • ジェンダー・ギャップとアート

    2024年03月08日

     3月8日の国際女性デーの道新一面は、北海道のジェンダー・ギャップ指数が都道府県で最下位である事実を報じた。札幌圏版には、子育て中の母親ら女性でつくる吹奏楽団「札幌mommy’sプラス」が結成17年との記事。
     道新カルチャー面には、札幌出身の宮嶋風花監督の商業デビュー作『愛のゆくえ』が、9日からシアターキノで上映されるとの記事。半自伝的な物語という。《金曜シネマ》は香港映画『燈火(ネオン)は消えず』。6月に閉館する道新ホールでは、5月17日にコッキーポップコンサートが開かれる。佐々木幸男、すずき一平、大石吾郎、因幡晃、高木麻早、庄野真代。懐かしすぎる。《ステージ》は、『鮭なら死んでるひよこたち』。岡山県の守安久仁子の作を、札幌の羊屋白玉が演出し、出演者は札幌、福岡、名古屋、東京から参加した。
     国際女性デーと同じ日の社会面に、こんな記事も。SIAFの関連で開かれたアート展「すすきの夜のトリエンナーレ」で、60代男性美術家による来場者へのコスプレ強要がハラスメントに当たるとして、被害者の会が声明文を発表した。ススキノで働く女性のドレスなどで扮装してもらい、SNSに写真を載せるなど、いわゆる「参加型」のアートとしても理解は得られないだろう。
     札幌10区新聞。北海道博物館では、スタッフ一押しの収蔵資料や活動を紹介する展覧会が開かれている。北海道銀行本店のビルで開かれてきた道銀文化財団のコンサートは、3月14、15日で最後となる。ビル移転に伴う取り壊しに伴う。
     朝日新聞北海道面には、星野道夫の道内では11年ぶりとなる写真展「悠久の時を旅する」が、4月20日から北海道立帯広美術館で開かれるとの記事。社会面。2019年のあいちトリエンナーレで、河村たかし市長が「表現の不自由展・その後」を問題視して補助金を一方的に打ち切ったことに対する実行委員会の訴えは、名古屋市の敗訴が確定した。

  • 池澤夏樹と水越武対談

    2024年03月07日

     作家の池澤夏樹が北海道新聞に連載したエッセイ「天はあおあお 野はひろびろ」を中心に編んだ同名の書籍が刊行され、池澤と写真家の水越武による対談が紀伊國屋書店札幌本店で開かれた。北海道は〈食料自給率が高く、北海道なりの暮らし方で経済を立てれば独立できるんじゃないか。その方が、これから幸せでは〉と述べた。温暖化や原発の問題については〈ごく一部が潤うから止めようがない。あまりにも経済が主体すぎる〉〈お金がなかったら生きていけないけれど、文化がなかったら生きている値打ちがない。そういうところを積極的に証明していくのが、文化に関わる人間の義務だと思う〉。
     図書館など読書環境の改善に取り組む任意団体「北のまちの図書館を創る会」が、情報誌『くすくす』を3号まで出した。道立図書館市町村支援課長や市立小樽図書館長などを務めた鈴木浩一(函館在住)が中心で、昨年夏に発足した。くすみ書房が出していたフリーペーパーの名前を引き継いだ。
    《音楽会》は広上淳一指揮の札響hitaru定期。ピアノ独奏は伊藤恵(評・八木幸三)。いずれも道新カルチャー面。
     100歳の中野北溟が、「イランカラプテ」の書2点を、白老のウポポイに寄贈した。常呂町(現北見市)出身の吉田裕史が、首席客演指揮者を務めるウクライナ国立オデッサ歌劇場の来日公演のため取り組んでいたCFは、1500万円以上を集めた。首都圏での40人規模の公演が実現することになった。建築界のノーベル賞と言われる「プリツカー賞」に、はこだて未来大などを代表作とする山本理顕が選ばれた。いずれも道新社会面。この日は盛りだくさん。

  • 川村湊の河﨑秋子評

    2024年03月05日

     文芸評論家・川村湊による河﨑秋子評。『ともぐい』は〈人間と熊との葛藤よりも、「熊爪」の人間社会における立場や地位に目を注いでいることが、この作品を原型の「熊爪譚」より一回り以上も作品世界を拡充させている〉。北海道の風土に根ざしながらも、〈北海道(風土)を超える文学を、河﨑秋子に期待することは、単なる望蜀の言ではない〉と述べる。〈北海道文学の正統的な後継者〉でもあるとは、最大級の賛辞と言える。道新カルチャー面。
     伊福部昭の評伝を刊行した片山杜秀のインタビュー。『大楽必易 わたくしの伊福部昭伝』(新潮社)。1980年代に伊福部への、通算100時間にも及ぶインタビューを行っている。伊福部は日本やロシアに限らず、作曲家の原体験にある《道内文学 創作・評論》(評・小田島本有)、中島岳志の《論壇時評》。
     札幌の音楽界の長老、梶原信幸(ミスジャメイカ経営)、小島紳次郎(ウエス社長)、高瀬清志(芸森スタジオプロデューサー)が、沖縄民謡とラテン音楽のバンド「KACHIMBA」をプロデュース。5月にCDをリリースする。道新札幌圏版。

  • 岩船修三の戦争画

    2024年03月03日

     函館出身の画家岩船修三(1908〜1989)の戦争画が新たに見つかったという記事が、道新一面トップ。1943年のアッツ島玉砕を題材にした『山崎部隊アッツ島玉砕決意』。全滅する直前の旧日本軍の兵士が暗く、荒いタッチで描写されている。函館護国神社に保管されているのを、道立函館美術館の田村允英学芸員が2022年に発見した。戦時中の新聞に、旭川の第七師団に献納されたことは知られていた。東京国立近代美術館にある藤田嗣治の『アッツ島玉砕』より大きい縦190cm、横280cmで、現存する戦争画で最大とのこと。アッツ島玉砕では、戦死者2638人のうち864人が道内出身者だったため、陸軍省か第七師団が岩船に制作を依頼したと見られている。岩船が第七師団報道部に配属されたのは、この絵の制作のためだったのか。十数人の兵士が並んでいるこの構図をどのようにして選んだのか、描いたのかに興味がわく。
     朝日新聞朝刊《日曜に想う》は、編集委員の吉田純子があらためての小澤征爾追悼。有名な「N響事件」にも言及している。結びはメゾソプラノのワルトラウト・マイヤーのこの言葉。〈己の心で決断し、道を選びとることが、人生においては最も大切です。終わることも、始まることと同じくらい素晴らしいことなのです〉

  • アイヌ文化PRコーナー移設へ

    2024年03月02日

    PRコーナー」を、10月に地下鉄大通駅コンコースの大通交流拠点地下広場に移設する。アイヌ文化体験や工芸品購入ができる。広場にあった大通情報ステーションは3月で廃止する。地域に根付く食文化を認定する文化庁の「100年フード」に、石狩鍋が選ばれた。すでに釧路のそば、余市のひる貝カレー、帯広の豚丼が認定されている。道新札幌版。
     道新カルチャー面。札幌出身のトライプレインがデビュー20周年を迎え、ベストアルバム2枚を同時発売し、47都道府県ツアーも行う。《金曜シネマ》は『COUNT ME IN 魂のリズム』。鹿追町を舞台にした映画『おしゃべりな写真館』が帯広に次いで札幌でも上映される。

  • 一房の葡萄ふたたび

    2024年03月02日

     道新カルチャー面。有島武郎の童話『一房の葡萄』の文庫本と絵本版『ひとふさのぶどう』を、中西出版が刊行した。昨年の有島没後100年を記念しての企画。ニセコ町の有島記念館によると、若い世代の有島の知名度が低下しているという。絵本は、なかいけいが絵を、けーたろうが文を担当した。北海道立文学館は、札幌出身の加清純子の油彩画『H子』を28日から公開する。苫小牧の苫美堂を経営する加藤和東(かずとも)が文学館に寄贈した。4月6日まで常設展示室に飾る。中島岳志の《論壇時評》は大相撲と「入日本化」の概念について。《漫画最前線》は榎本俊二『ザ・キンクス』。

  • 特撮への貢献で受賞

    2024年03月01日

     3月1日は大谷翔平結婚のニュースでもちきり。
     池田町出身で、特撮映画のセットや造形美術を長年手がけてきた村瀬継蔵(88)が日本アカデミー賞協会特別賞を受賞した。東宝で円谷英二監督の『大怪獣バラン』『モスラ』『大怪獣ガメラ』などの怪獣着ぐるみを手がけた。今夏は総監督を初めて務めた『カミノフデ〜怪獣たちのいる島〜』が公開される。主題歌『Kaiju』は吉田美和が作詞作曲した。《スクリーン》は韓国映画の『ソウルメイト』。道新カルチャー面。
     札幌映画サークルが創立60周年記念誌を作った。1963年に札幌勤労者映画協議会として発足。1974年に現在の名前になった。会員は210人。国内外の名画を年6回開いている。吉永小百合『キューポラのある街』『いつでも夢を』を4月に札幌エルプラザで上映する。道新札幌圏版。
     道庁が創設した「北のアニメ大賞」の大賞は、マレーシア在住で室蘭出身のKazune H Uranoの『きつねのしりとり』に決まった。QRコードから拝見した作品はとても楽しいが、観光振興のPR動画を思わせた。そういう趣旨の賞なのですね。道新社会面。

  • 演劇シーズン復調の兆し

    2024年02月29日

     札幌演劇シーズン2024―冬の来場者(速報値)は、3団体計33公演で1952人だった。新年度からは年1回に集約し、7月13日から8月31日まで。5月に開館する北八劇場も活用する。《音楽会》は札幌交響楽団第658回定期。バーメルトの常任指揮者として最後の演奏は「彼の指揮理念は楽員に主体性をゆだねる音楽表現ではと考えていたが、それが如実にうかがえる演奏だった」(評・中村隆夫)。直木賞の万城目学の寄稿、伊藤氏貴の《文芸時評》も。
     芸術選奨の文部科学大臣賞に、道内からはHBC報道部デスクでドキュメンタリー番組プロデューサーの山崎裕侍、江別出身の乗代雄介が選ばれた。道新社会面。

  • マンガミュージアム構想

    2024年02月27日

     北海道出身・ゆかりの漫画家29人が「北海道マンガミュージアム」を設立しようと活動している。大和和紀が代表。同期の山岸凉子に声をかけ、2021年に設立に向けて動き出した。18人の発起人、11人の賛同者がいる。地域の漫画家が中心になって設立を目指すのは初めてという。展示と原画のアーカイヴを2本柱とし、文化的な価値の発信と観光資源として活用してもらうべく、札幌市にも働きかけている。《まんが最前線》は、イ・ジョンチョルちょ、印イェニ訳『カデギ 物流倉庫でミックスコーヒーをがぶ飲みしながら働いた話』(評・阿部幸弘)。「『植民地挑戦の愛国婦人会』を刊行して」は北海道情報大名誉教授の広瀬玲子の寄稿。道新カルチャー面。

  • 鹿追舞台の映画『おしゃべりな写真館』

    2024年02月24日

     道新社会面。鹿追町を舞台にした映画『おしゃべりな写真館』の先行上映が、シネマ太陽帯広で23日に始まった。緑内障で視野が欠けてしまった写真かと、心に傷を持つ少女のふれあいを描くストーリー。白老のウポポイで活動する舞踊チームは、東京公演を開催。イヨマンテを題材としたオリジナル演目『イノミ』を上演した。アイヌ文学研究家の中川裕・千葉大名誉教授が講演した。〈アイヌ文化では動植物だけでなく、家や鍋にも魂があると考える。カムイは神とおいうよりも『環境』と考えると理解しやすい〉。24、25日の札響定期に出演予定だった尾高忠明が、肺炎のため降板すると23日に札響が発表した。代わりの指揮者は藤岡幸夫。

  • 山本竜也『地方史のつむぎ方』

    2024年02月23日

     札幌気象台職員の山本竜也が『地方史のつむぎ方』(尚学社)を刊行した。自らの調査の手法を詳しく説明するだけでなく、地方史の調査・研究に携わる24人にインタビューし、その動機や調査の課程を語ってもらっている。地方史と銘打ちながら、インタビューした相手の分野は多種多様で、通常なら「○○史」「○○文化史」と、その分野の関係者を中心に共有されていくはずの仕事だ。これを「地方史」でひとくくりにして提示し、歴史に向き合う人のアプローチに目を向けたことが、この本のポイントではないか。歴史を調べる、あるいは調べようとする人に必要な技術と心構えの両方を学べる一冊である。道新札幌圏版。
     同じ紙面。北海道地域文化選奨に、札幌のどさんこ青少年オーケストラ協会が選ばれた。元中学教師の助乗慎一代表が2013年に設立し、10人で運営している。江別、岩見沢、名寄、旭川、音更にジュニアオーケストラを設立して活動している。
    特別賞は千歳市民文芸の会。
     道新カルチャー面は、大正期の女性解放運動家伊藤野枝をモデルとする村山由佳の小説をもとにした映画『風よ あらしよ』の柳川強監督。
     社会面には、河﨑秋子が受賞した直木賞と芥川賞の贈呈式の話題。〈これからも生き物の命を書いていきたいという志だけは死ぬまで変わらないと思います〉。日本芸術院賞に、筒井康隆や、霧の彫刻で知られる中谷芙二子(札幌出身)が決まったとの記事も。

  • 93歳バリトン歌手

    2024年02月22日

     道新カルチャー面は、旭川生まれの93歳のバリトン歌手川村英司が12月に札幌で演奏会「音楽に寄せて」を開いた。日本の童謡、ドイツ歌曲などを披露。安田菜津紀の《社会時評》、藤田睦美の《居酒屋小太郎物語》、天辰保文の《音楽アラカルト》第1154回。《音楽会》はマリンバの工藤瑠璃、上野岳のリサイタル。
     道新札幌圏版。青森市在住の美術家恒永さくらが、北海道文化財団アートスペースで刺繍作品の個展を開いている。タイトルは「The Warp and woof of a whale of a tale ―経緯、その鯨ほどの余白」。

  • ていね山映画祭が原案募集

    2024年02月21日

     手稲区が「ていね山映画祭」で上映する短編映画の作品原案の募集を始めた。今回が2回目で、グランプリは10月の映画祭で上映する。テーマ自由で30分程度。5月27日締め切り。脚本や漫画、小説などの形式で応募できる。手稲区や手稲山が象徴的に東條することが条件。昨年製作した『7月の約束』(佐藤智也監督)が、今年2月にインド・チェンナイの映画祭で最優秀国際短編映画賞を受賞した。道新札幌版。
     同じく札幌圏版には、手稲区の絵本専門店「ちいさなえほんや ひだまり」が開店30周年を4月に迎えるとの記事も。月刊で5000部発行している絵本通信「ひだまり」は2月で400号に達したという。同じ紙面には、ベーシストの今沢カゲロウ(江別市出身)が、セミの幼虫を素揚げした昆虫食「セミゴンゴ」を開発したとの記事も。道銀芸術文化奨励賞を受けた日本画家水野剛志(ひさし)の個展が、道銀らいらっく・ぎゃらりぃで開催されている。

  • 『治安維持法の歴史』

    2024年02月20日

     道新カルチャー面。『治安維持法の歴史』全6巻(六花出版)を編纂した小樽商科大の荻野富士夫名誉教授の寄稿。〈植民地や「満州国」での運用を抜きに治安維持法の本質は語れない〉。《武田砂鉄の考えるピント》は「「句読点怖がる」言説に思う」。「若者の価値観」とひとくくりにする風潮を問う。北海道立文学館の特別展「100年の時を超える」紹介、《道内文学》短歌(評・桑原憂太郎)も。

  • サクラの行方

    2024年02月19日

     しばらく投稿がままならなかったが再開。
     道新社会面。七飯町のサクラ研究家・浅利政利が35年前にポーランドに送った「紅豊」やチシマザクラ、ミヤマザクラの行方を探し当てた英国のジャーナリスト阿部菜穂子が、アウシュビッツ強制収容所で亡くなった神父の話を交えて著書『The Martyr and Red Kimono(殉教者と赤い着物)』として刊行する。
     道新読書ナビに、佐川光晴『あけくれの少女』(集英社)の書評。広島県尾道市から、東京、高崎、太平洋上、浜松を転々としながら、諦めずに自分の道を探し続ける真記の生涯を追う。評は前野久美子。《訪問》は『アイヌもやもや』(303BOOKS)を書いた北原モッコトゥナシ北大教授。

  • 東大闘争のアーカイヴ

    2024年02月18日

     道外の話題。昨年、1960年代の東大闘争のビラなど資料約6 ,500点が東大文書館に納められた。当時の東大生らが集めたもの。国立国会図書館にも元東大全共闘代表が5,400点を28巻に製本したものを寄贈した。貴重なアーカイヴだが、独特の用語が使われるなどわかりにくいので、オーラルヒストリーや手記と併せると研究しやすくなると研究者。

  • 「人権」掲げる歌集

    2024年02月17日

     サタデーどうしん文化・エンタメは、新歌集『ヒューマン・ライツ』(左右社)を出した北山あさひのインタビュー。2021年道新短歌賞受賞者。タイトルの意味は「人権」。《ステージ》は倉本聰『ニングル』のオペラ版東京公演。山田航の《札幌零景》は、ニセ時計台の話題。

  • 映画『ゴールデンカムイ』

    2024年02月16日

     道新カルチャー面は、公開中の映画『ゴールデンカムイ』の久保茂昭監督インタビュー。「明治時代や北海道をリアルに描けるかどうかが肝になる」と考え、撮影準備には一般的な邦画の2、3倍の時間をかけたという。北海道二期会が11月23、24日に札幌市教育文化会館で開くオペレッタ『こうもり』の制作発表を1月に行った。1964年設立で、今年が創立60周年。ドイツ語歌唱、せりふは日本語。川瀬賢太郎指揮の札響。《金曜シネマ》は『カラーパープル』。
     道新社会面は、第14回ロケーションジャパン大賞の部門賞に、札幌でロケを行ったネットフリックスのドラマ『First Love 初恋』が選ばれた。池澤夏樹の新著『天はあおあお 野はひろびろ』(北海道新聞社)が17日に刊行される。札幌10区新聞では、道立三岸好太郎美術館の企画展『恋する画家の陶酔ざんまい』を紹介。ヴァイオリンのハーモニクス奏法の原理を数式で解明した、札幌開成中等教育学校の田中翔大の記事も。国際学生科学技術フェア(ISEF)で米音響学会賞1等賞などを受賞した。

  • 現実と空想を混ぜて物語と為す――河﨑秋子

    2024年02月15日

     道新カルチャー面は、河﨑秋子の寄稿「直木賞を受賞して」、桜木紫乃の連載《居酒屋さくらぎ》が並ぶ。受賞作を語る河﨑の言葉〈現実と空想を混ぜて物語と為す。それこそ最も人の心に届きやすい道だと私は思い定めて小説を書いてきた〉。道新の小澤征爾追悼は、長年その仕事を見つめてきた音楽評論家の東条碩夫。〈病に襲われた晩年も、音楽への情熱、闊達な精神は失われなかった。射るような眼でオーケストラを鼓舞した小澤さんの指揮姿はもう見られない。私たちはかけがえのない指揮者を失った〉。《音楽会》はLCアルモーニカがhitaruで上演したジョルダーノ『アンドレア・シェニエ』(評・八木幸三)。鳥取市で開設準備が進む伊福部昭記念資料館(仮称)の話題も。

  • 2024-02-14

    2024年02月14日

  • 手厚い朝日の小澤追悼

    2024年02月13日

     朝日新聞の小澤征爾追悼は、かくも手厚い。編集委員の吉田純子が「泣き虫マエストロ」を。夕刊には読売交響楽団の首席客演指揮者を務める山田和樹のエピソード。9日夜の山田のプログラム後半は、武満徹『ノヴェンバー・ステップス』とベートーヴェン第2交響曲だった。くしくも1967年に小澤の手でニューヨークで初演された演奏会と同じ組み合わせだ。山田は、午後7時に伝えられた訃報は演奏会に臨む音楽家に憂いがないようにとの配慮ではないかと考え、黙禱や拍手を慎むことを観客に求めなかった。
     道新はバレエ指導者久富淑子の《哀惜》。札幌生まれ、滝川育ち。熊川哲也をはじめ、各国のバレエ団でプリンシパルなどとして活躍する後進を育てた。

  • 2024-02-12

    2024年02月12日

  • 現代アートシーンを振り返る

    2024年02月11日

     この日はSCARTSで、SIAF2024連携プロジェクトのひとつ「Sapporo Parallel Museum 2024」関連のトーク「1990~2020年の札幌現代アートシーンをふりかえる 創造都市編」 が開かれた。SIAFディレクターの小川秀明をはじめ、酒井秀治、高橋喜代史、端聡、浜部公孝、細川麻沙美、吉崎元章、今村育子の面々。最初はそれぞれの立場でプレゼンテーション。浜部が札幌の「創造都市宣言」とは何なのかを解説したあと、吉崎が1990〜2020年の北海道美術を振り返る総論を、端が2014年の第1回開催に至る経緯を、小川が今回のSIAFについて、細川はこれまでと今回のSIAFの比較を交えて、今村はパラレルミュージアムについて。後半の座談で興味深かったのは、最後に高橋が芸術祭への地元作家の起用について尋ね、SIAF側が「地元作家を多数起用することが本当に必要だろうか。SIAFに触発された別の展覧会という形もあり得るのでは」と問いかけたこと。2014年のSIAFではこの点が焦点となり「永遠の課題」という受け止めになったが、今回はこの問いかけに異論はなく、一応の決着を見た格好。
     朝日新聞は引き続き小澤征爾追悼。村上春樹の追悼文に1頁を割いた。多くのエピソードで小澤の人となりを紹介。オーケストラへの向き合い方として〈征爾さんはあまり感情を面に出すことなく、ゆっくりと、ひとつひとつ丁寧に細部のネジを締めていく人だった。オーケストラの出す音に注意深く耳を傾け、問題があればそれを指摘し、どこがいけないかをユーモアを交えてフレンドリーに説明し、その部分を締める。それを何度も何度も繰り返して、彼の求める音を、音楽を、辛抱強くこしらえていく〉〈征爾さんの場合は、ネジをぎゅっと締めることによってその結果、驚くほどすんなりと演奏から肩の力が抜けていきのだ〉〈そこには過度なメッセージ性もないし、大げさな身振りもないし、芸術的耽溺もなく、感情的な強制もない。そこにあるのは、小澤征爾という個人の中に確率された純粋な音楽思念の、拒食を排した誠実な発露でしかない〉。貴重な観察であろう。
     同じ日の文化面では、桐朋学園の後輩である秋山和慶が、音楽面から小澤征爾を語った。〈小澤さんの音楽の特徴を一言でいえば、やはりあのリズム感、そして瞬発力です。どこをちょっと緩めようとか、ぐっと持ち上げようとか、そうしたペース配分がすごく上手だった〉も、村上の言葉と通じる。恩師斎藤秀雄が臨終の場面に言った「ごめんな」「君らをよく怒ったのは僕が未熟だったから」との言葉が、小澤の音楽や人間への愛の根源であったのではないかと結ぶ。
     ボストン交響楽団が9日、バッハの『G線上のアリア』で小澤征爾を追悼した。道新社会面。
     道新の読書ナビ《ほっかいどう》。藤尾均『歌が誘う北海道の旅』(新評論)は、ご当地ソング78曲を紹介する。著者は医学史、医学倫理などが専門の旭川医大名誉教授。《北海道の新刊》は朝倉かすみ『賑やかな落日』(光文社文庫)、高澤秀次『評伝 立花隆』(作品社)、横山北斗『洞爺丸追憶』(津軽書房)。
    「島をまるごと楽器化する」というコンセプトで、東大大学院准教授とSIAFラボが江差町鴎島の奇岩「瓶子岩」で試みた実験。50年前に実験音楽家デビッド・チュードアがスウェーデンの孤島クナーヴェルシェアで構想した未完の「コンサート」を模したという。超音波を使ったパラメトリックスピーカーで、鳥のさえずりを島や岩にぶつけるように流す。2月17、18日に北大工学研究院のVRシアターで上映する。朝日新聞北海道面。

  • 小澤征爾を悼む

    2024年02月10日

     小澤征爾の訃報を、各紙一斉に掲載。
     道新の一面トップは、イトーヨーカドーの道内撤退報道。2番手は「札幌駅再開発ビル2年延期も」。これに次いで「小澤征爾さん死去 88歳 世界的指揮者」。第1社会面トップに「巨匠オザワ 世界魅了」と評伝「温かい「音楽する心」」。札響と小澤の共演については「1974年9月の定期演奏会(札幌市民会館)を皮切りに、81年まで9回共演している」。関連で元札響首席チェリストの土田英順のコメントを掲載した。各界からの悼む声も。
     朝日新聞は一面の2番手。見出しは道新と同じ。社会面は「音楽の光で世界照らす/地方から発信 情熱注ぐ/飾らない人柄 引きつけた」。吉田純子編集委員の評伝「愛すべき無鉄砲 壁つくらぬ「目力」」はさすがに読ませる。〈対話の権化であるオペラの精神を、言葉や文化の壁のない楽器だけで実現する。そんな理想郷を小澤さんは生涯目指し、音楽の伝統を継ぐ「職人」のひとりとして国境を越え、お欧州の伝統の系譜に連なった〉。他に「卓上四季」でも小澤に触れた。
     読売新聞も一面2番手。毎日新聞は一面トップ。見出しはいずれも同じ。読売は社会面「オザワ 日本の誇り/最高峰の舞台で指揮」「人間味あふれる素顔(評伝)」のほか、エンタメ面に「小澤語録」も掲載した。毎日の社会面は「世界が愛した「オザワ」」/「音楽で心一つに」貫く」「「リズムの爆発」聴衆酔わす(評伝)」と梅津時比古執筆の記事を掲載。難病の子との交流や秋山和慶、松本市長のコメントもある。

     道新カルチャー面は、小樽出身の漫画家山下和美らが、明治期、東京・世田谷区豪徳寺に尾崎三良男爵が建てた洋館を活用した「旧尾崎テオドラ邸」を3月1日にオープンさせるとの記事。「一般社団法人旧尾崎邸保存プロジェクト」を2022年に設立し、私財を投じて土地・建物を買い取った。ギャラリーとして活用し、上砂川町出身の山岸凉子、札幌出身の大和和紀らのチャリティー作品展、札幌出身の三原順の回顧展などを予定している。同じ紙面には、ウクライナ国立オデッサ歌劇場の首席客演指揮者を務める北見市常呂町出身の吉田裕史が、日本公演のためのクラウドファンディングに取り組んでいるとの記事も。

  • 小澤征爾、死去

    2024年02月09日

     小澤征爾が2月6日に死去した。88歳。デジタル版の速報見出しは道新が「世界的指揮者の小澤征爾さん死去/88歳、文化勲章受章者」、朝日は「指揮者の小澤征爾さん死去、88歳/戦後日本のクラシック界を牽引」。読売は「小沢征爾さん死去、88歳/ボストン交響楽団などで日本人初の音楽監督」。毎日は「小澤征爾さん死去、88歳 世界的指揮者、日本クラシック界けん引」。日経が「小澤征爾さんが死去、88歳 指揮者「世界のオザワ」」。明日朝刊の紙面が気になる。
     小澤の才能の最たるものは「人たらし」だったのではないか。人間力と言ってもいい。とにかく人に好かれる。聴衆はもちろん、共演する演奏家、支援者、後半生をささげたとも言えるフェスティバルの地である松本の人々にも。38歳だった1973年からボストン交響楽団の音楽監督を29年間務めたことが、何よりの証左だ。同じ楽団のシェフをこれだけの期間、一人の指揮者が務めることは「空前」はいざ知らず「絶後」であることは間違いない。
     そしてあの目。人なつこいふだんとは違って、指揮台から演奏者を睥睨する目力。壮年期の指揮ぶりを映像で観て、楽団員ひとりひとりに向ける視線の強さは印象的だった。しかしカラヤンのように強大な力で威圧するのではなく、「一緒にいい音楽をやろうよ」と肩を組み、体を預けてくるような音楽仲間への向き合い方。どちらかと言えばバーンスタイン型か。2010年に判明した食道がんで闘病し、2017年に松本フェスティバルを取材した際は、内田光子との共演でベートーヴェンの第3協奏曲を椅子に腰掛けて指揮した。それでも要所要所で立ち上がり、音楽を駆動させようとする意志が伝わってきた。取材の一環で話を聞いた札響コンマスの田島高宏(サイトウキネンで何度も共演)は、体力的に衰えが感じられても、かえって「オーケストラ側が小澤さんを支えようという強い気持ちを持つように」なったと話していた。それもまた人間力あっての関係だ。
     渡米する前、N響とは不幸な事件があり、原因の一端を小澤自身の慢心と見る向きもあった。楽団員との軋轢は、個性派ぞろいの指揮者にはありがちのこと。かつて何度か小澤を札響に招いた(小澤=札響の《幻想》に名演あり。FM東京にいた東条碩夫が録音を担当した)事務局長の谷口静司は、自宅に小澤を泊めてさんざん酒を飲み交わしても、早朝にはスコアを眺めているような音楽への誠意があったとエピソードを語ってくれた。札響60年史執筆のため、定期会員から集めたアンケートでも、函館で小澤が指揮した札響演奏会があった日(1978年5月12日)、函館市民会館前の公園の芝生に寝転がってスコアを読む、白い服、ボサボサ頭の若い指揮者がいたという回答があった。常にポジティブで、より良い音楽を極めたいというパッションを絶やさない姿が、世界に愛される指揮者の偉大さだったのではないか。
     生の演奏を聴く機会はだいぶ前に失われていたが、私たちにはたくさんの音源をかみしめる機会が与えられている。あの笑顔と眼力を思い出しながら。
     道新カルチャー面。『夜明けのすべて』が公開中の三宅唱監督(札幌出身)インタビュー。他者から理解されにくい生きづらさを抱えた2人の物語。〈人生には理不尽なことがたくさんあって、その上でどう生きようとするか。自分も年齢を重ねて、そういったことを意識的に描けるようになってきた〉
     道新10区新聞では、北海道立近代美術館で開催中の特別展「AINU ART―モレウのうた」を大きく取り上げた。トークイベントの第1回で。木彫家・貝沢徹(平取町二風谷)、金工家・下倉洋之(阿寒湖温泉)に、五十嵐智美学芸部長が聞いた。同じ紙面では、3月末で閉館する道新ぎゃらりーで北海道イラストレーターズクラブアルファが開いている「道新ぎゃらりーサンキュー展」を紹介。ギャラリーは2003年に札幌時計台ビル地下にオープンし、2008年から本社へ移った。

  • カルーセル麻紀、森田たま、バーメルト

    2024年02月08日

     道新カルチャー面。三島由紀子監督の映画『一月の声に歓びを刻め』に出演したカルーセル麻紀のインタビュー。「死ぬ前最後の仕事と思って引き受けた」と話す。同じ紙面には、道産子初の女性作家とされる森田たま(1894〜1970)の自伝的小説『石狩少女(おとめ)』がちくま文庫で復刊された。《奏で人札響》はフルート副首席の川口晃。
     道内では3月いっぱいで休刊になる朝日夕刊で、札響の東京公演評(評者・白石美雪)。指揮は常任として最後の共演となったマティアス・バーメルト。メインのブルックナー第6交響曲は「金管を含めて大音量の威圧感ではなく、大きな懐を感じさせるフレージングに、ブルックナーらしい威厳を託した」。ブリテンの『セレナード』は、テノールのイアン・ポストリッジとホルンのアレッシオ・アレグリーニを讃え「彼らの妙技を生かすべく、そっと並走した札響の弦合奏もみごとの一語に尽きる」。最後は「本拠地を離れての東京公演は、かつてこの楽団を「聴く人を迎えにいく音楽大使にしたい」と望んだ彼ならではの、充実の大団円となった」と、札響60年史のインタビューを引用して結んだ。

  • 和辻哲郎文化賞に小坂洋右

    2024年02月07日

     姫路市が主宰する和辻哲郎文化賞に、札幌在住、元道新論説委員の小坂洋右の『アイヌの時空を旅する』(藤原書店)が選ばれた。国立科学博物館では、収蔵品などによる企画展で、昨年1月に新鉱物と認められた「北海道石」が展示されている。いずれも道新社会面。

  • カナダの脱植民地化教育

    2024年02月06日

     カナダに留学し、脱植民地化教育を進めてきたユーコン大で学んできたニセコ在住のフリーライター・研究者の葛西奈津子が北大で講演した。1996年まで120年も続いてきた政府の同化政策やジェノサイドなどの実情を報告し、先住民族と大学の連携を考えるファーストネーション・イニシアチブ(FNI)の取り組みも紹介した。大学教育の脱植民地化は「和解の行為を未来に続ける実践であり重要と思う」と述べた。道新カルチャー面。道内文学(俳句・五十嵐秀彦)。文芸時評(伊藤氏貴)。

  • 被災者の心を支える

    2024年02月05日

     能登半島地震被災地の石川県七尾市で、清水町のアイヌ文化発信拠点「ハポネタイ」のUtaE(ウタエ)代表が、アイヌ民族の音楽や踊りを伝えて被災者の心を癒やす活動を続けている。長期化する避難生活を精神的に支える活動も貴重だ。道新社会面におそらく共同通信の記事。
     朝日新聞文化面に池澤夏樹の寄稿。『ハワイイ紀行』を書くために長く滞在したハワイ・マウイ島のラハイナで昨年、大きな山火事があった。その被災地を訪ねた。住民が集まって歩くことで弔意と復興の意思を表明する催しに参加し、かつてハワイ王国の首都だったこの街の人々の気概に感銘を受けたという。〈ホノルルの喧噪からここへ来るとほっとする。人はみんなゆっくりと動くし、風と波が日々の指針となっている。サーファーの悠然たる生きかたが周辺にも浸透している。ここはぼくにとって理想の休息の地だ、たとえラハイナが燃えようと。〉
     この日2月5日は、SCARTSで現代音楽の演奏会「音楽と空間の新機軸〜ライブエレクトロニクスの現在」が開かれた。充実した内容だったので、どこかに詳報を残したいと考えている。

  • アート資材のリサイクル

    2024年02月03日

     SIAF2024では、展覧会などで使った資材をリサイクルするプロジェクト「リサイクルセンター『周活』」に取り組む。札幌のマルチメディアアーティスト岡碧幸(みゆき)が、ミュンヘンでリサイクルに取り組むグループ「トライブグット」のメンバーを招いて天神山アートスタジオで、3月末までの土曜に活動する。ウクライナの詩人オスタップ・スリヴィンスキーがロシアの侵攻から逃れた市民の証言を集めた『戦争語彙集』(昨年5月刊)を、ロバート・キャンベルが日本語に訳した(岩波書店)。「食べもの」「猫」「ゴミ」など77の単語を表題とする文章が掲載されている。《穂村弘の迷子手帳》は「云えない言葉」。道新カルチャー面。
     ピアニストの江戸京子が1月23日に死去、86歳。

  • 雪まつり会場の巨大オブジェ

    2024年02月02日

     道新カルチャー面は、SIAF2024の雪まつり期間中の催し中心に紹介。雪まつり会場は、オーストラリアのスタジオ・エネス制作のバルーン状のオブジェ『Airship Orchestra』が展示される。《金曜シネマ》はビクトル・エリセ監督の『瞳をとじて』。朝日新聞夕刊にも同じ映画の記事。半世紀前の『ミツバチのささやき』にも子役で出演したアナ・トレントにインタビューしている。第14回道展U21の大賞は、札幌大谷高3年、竹内優希の油彩『雪華』に決まった。道新社会面。
     浦幌町のアイヌ民族団体「ラポロアイヌネイション」が国と道に対し、サケ漁の集団的権利を求めるよう求めた訴訟が1日に結審した。判決は4月18日。
     2月3日は札幌・南区の旧真駒内緑小(札幌市立大学まこまないキャンパス)で、南区アートダイアローグvoi.1が開かれた。ここで展覧会を開催している八子直子、北川陽稔と南区アートプロジェクトの国松明日香実行委員長の鼎談と、聴衆との車座集会のような形。地域のアートにフォーカスした意欲的な試みであることは評価したいが、テーマ設定があいまいで、発言者がそれぞれの思惑で議論を拡散させてしまった感があり、残念。多くのアーティストが区内に住んでいるため「アートによる活性化」を掲げる南区(役所)の思惑に沿って「まちづくり」を考えたい人、それよりも展示のあり方と作品について語りたい・聞きたい人、作家のステートメント(声明)と作品理解の相関関係を深掘りしたい人、「南区」をアイヌ語をもじった「ミナミナク」と読ませるセンスを疑う人…。どれも重要な視点だからこそ、テーマを絞り込んで、ひとつひとつ発言を吟味して進めてほしかった。

  • 奈良美智の弘前

    2024年02月01日

     道新カルチャー面。円城塔《西の国から》は「北の怪談」の話題。《音楽会》は、バリトン川村英司のリサイタル「音楽に寄せて」(2023年12月15日)。ピアノは札幌の山口玲子(評・中村隆夫)。
     朝日新聞文化面は、奈良美智の青森県立美術館での個展を取り上げ、故郷弘前との距離感を作家に問うた。原点としての弘前を「振り返るというより、ずっと後ろにあって、今もこの背中に確実にへばりついている。年をとるとともに重くなりながらも、歩いてきたんだなって感じがある」と語った。個展は2月25日まで。

  • 片岡球子『一休さま』

    2024年01月31日

     道新社会面。片岡球子(1905〜2008)の晩年の作品『面構(つらがまえ) 一休さま』が、道立近代美術館に寄贈された。寄贈者の堤さえ子は中央区の裏千家教授で、近美の資料整理ボランティアを長年務めた。縦1.5m、横3m。3月23日から6月16日まで『一休さま』を含む面構シリーズ4点を展示する。札幌市は「東1丁目劇場施設」(旧四季劇場)を来年3月で閉館すると発表した。

  • 生きている限り芝居を作る――斎藤歩

    2024年01月30日

     道新カルチャー面《会いたい聞きたい》で、俳優・脚本家・演出家の斎藤歩の大インタビュー。人形劇師・沢則行との2人芝居、2021年に発症した尿管のがんのこと、魴鮄舎など1980年代からの活躍、演劇財団でのコロナ禍との闘い、これからの北海道演劇に寄せる言葉など、充実した内容だ。デジタル版はさらに読み応えがある。▼道内文学 創作・評論(小田島本有)▼論壇時評(中島岳志)

  • 直木賞受賞エッセイ

    2024年01月29日

     朝日新聞文化面に、直木賞受賞の万城目学、河﨑秋子の受賞エッセイ。河﨑は、2匹の猫との暮らしを引き合いに〈このまま飼い主の事情など一切関係ない猫でいて欲しい。できるだけ健康で。感謝と共に猫に願う。〉。対して万城目は、これまで落選してきた十数回!の文学賞を挙げ、6回目の候補での受賞を〈過去の一方的な文学賞へのわだかまりに対し、いっせいに精神的徳政令を発した。〉と。

  • 荒巻義雄『海没都市TOKIYO』

    2024年01月28日

     荒巻義雄が新著『海没都市TOKIYO』(小鳥遊書房)を刊行した。地球温暖化で大半が水没した近未来の東京が舞台。〈「ありえるかもしれない」近未来と、現在の抱える問題とを兼ね合わせ〉た作品。評者は立原透耶。道新の読書ナビ《ほっかいどう》。
     浦幌のアイヌ民族団体「ラポロアイヌネイション」は、昨年当地で開かれた国際シンポジウム「先住権としての川でサケを獲る権利」の報告会を帯広で開催。台湾やカナダなどの先住民との連携で、先住権を求める闘いを続けており、賛同を求めた。道新社会面。
     札幌西区のコミュニティFM三角山放送局で、パーソナリティを務める吉田重子。盲学校の教師を務めながら2013年から、点字の進行台本を手に、月1回、1時間の生放送に臨む。番組名は「音を頼りに、音便り」。「せっかくだからまずやってみよう」という行動力を「せっかくだから病」と呼ぶ。朝日新聞道内面。

  • 南区アートシーズン

    2024年01月27日

     道新カルチャー面の《展覧会》。旧真駒内緑小(真駒内幸町2丁目2-2、札幌市立大まこまないキャンパスまちの教室)で開かれている「南区アートシーズン・冬」を取り上げた。南区アートプロジェクトの一環で、八子直子、北川陽稔(あきよし)が発表している。2月14日まで。2月3日にはトークセッションを予定。

  • バーメルト 最後の札響定期

    2024年01月26日

     道新カルチャー面。第658回定期演奏会(1/27、28)が首席指揮者として最後の定期となるマティアス・バーメルトのインタビュー。札響について「実力は海外に出ても十分なオケだと思っています」と述べ、海外公演は「成功すれば観客や地元に帰ったときにスポンサーにもいい印象を与えることができる」とした。
     道新社会面には、三浦綾子の元秘書山地多美枝が十年来続けてきた無期懲役囚との文通についての記事。趣旨は朝日新聞(2023-12-09)と同じ。九州の刑務所にいる受刑者は「真っ暗な海の上につかまるものも無く浮いていた私に流れてきた1本の丸太のようだったのが山路さんとの手紙」と取材に答えた。同じ面には、雪や氷に関連した作品が展示されているとのSIAFの紹介記事も。

  • 北海道の児童文学

    2024年01月25日

     道新の中高生まなぶん《北の事始め》101回目は「児童文学」。1952 年に創設された日本児童文学者協会で、加藤多一、後藤竜二といった作家が活躍した。道内では明治末に、旭川で『少年乃北海』、倶知安で『後志学の友』という児童向け雑誌が刊行された。児童文学研究家の柴村紀代は、北海道の児童文学は、支部沈黙や坪松一郎らの童謡に始まったという。代表的な作家として、開拓農家の暮らしをよく知り、作品に取り入れた加藤、後藤のほか、小笠原洽嘉、有島希音、富盛菊枝、升井純子の名前を挙げている。
     道新社会面には1984年にマッキンリー(デナリ)で行方不明になった植村直己が、1973年にグリーンランドで撮影したとされる未公開写真を、北大の北極研究者日下稜が発見したとの記事。100歳のの書家中野北溟は、札幌市に書731枚(評価総額13億6200万円)を寄贈した。

  • 炭都 芦別の社会史研究書

    2024年01月24日

     道新はこの日も1面から社会面へ続くロングインタビューで河﨑秋子特集。今後の活動について「生まれ育って一番肌になじむ北海道にこれからも住み続けてここで文章を書き続けます。北海道はその歴史や住み続けている人をクローズアップするだけでたくさんの物語が立ち動く場所。とても魅力があります」。
     道新社会面には、かつての炭都芦別の石炭産業史をまとめた『芦別 炭鉱<ヤマ>とマチの社会史』(寿郎社)刊行に記事。社会学者らの「産炭地研究会」のメンバーが執筆。早稲田大文学学術院の嶋崎尚子教授は「芦別が炭鉱とともに歩んだ年月は道内の石炭産業のライフサイクルにほかならない。膨大な人が芦別に移入、移出していった足跡に着目した」と話す。芦別五山と呼ばれる三井、三菱などの炭鉱の盛衰、構内での爆発事故や労働組合などを解説している。

  • 新 直木賞作家を特集

    2024年01月23日

     北海道新聞はカルチャー面の8割がたを使って、直木賞を受賞した河﨑秋子の大特集《作品と横顔に迫る》を展開。1面のインタビューは恒例の芥川賞・直木賞選考を振り返る記事では、受賞作『ともぐい』について「圧倒的な文章で計算が行き届いている」「自然と近代、雄と雌といったさまざまな対立が表現されている」との評価。作品についての自らのコメント、これまでの経歴、十勝での暮らしなどをまとめた。
     

  • 芸術祭やめちゃ駄目

    2024年01月22日

     SIAF2014のゲストディレクターを務めた坂本龍一を偲ぶトークイベントが、21日に札幌市資料館で開かれた。飯田志保子、大友良英、天野太郎らが出演。大友は「いろんな人が入り込める芸術祭になるまで10年かかった。絶対にやめちゃ駄目。やめたら税金の無駄遣い」と述べた。

  • アイヌ民族と研究者対話

    2024年01月21日

     北海道アイヌ協会、日本人類学会、日本考古学協会、日本文化人類学会の4学協会主催のシンポジウムが20日に札幌で開かれた。研究者とアイヌ民族の対話の場として企画された。日本考古学協会の矢島国雄・明治大名誉教授は「過去のアイヌ文化研究に問題にあったことは認識しなければならない。調査される側の価値観や権利への配慮がかけていたことは否定できない」と述べた。
     札幌国際芸術祭SIAF2024の開幕セレモニー。小川秀明ディレクターは「私たちは未来に向けて何ができるか。札幌を舞台にした未来志向の実験が始まることを、皆さんと楽しみにしていきたい」と話した。
     いずれも朝日新聞北海道面。

  • SIAF2024 20日開幕

    2024年01月20日

     通算4回目(前回は中止)となる札幌国際芸術祭(SIAF2024)が20日に開幕。初の冬季開催で、10ヶ国以上約80組のアーティストが参加する。ディレクターはリンツ市のアルスエレクトロニカで活動する小川秀明。テーマは「LAST SNOW」。主会場は北海道立近代美術館、札幌芸術の森美術館、SCARTS、モエレ沼公園、さっぽろ雪まつり大通2丁目会場、未来劇場。21日は「SIAF2014から2024へ―坂本龍一ゲストディレクターからのバトン」(札幌資料館)と「ACFアートサロン 追悼 坂本龍一」(カナモトホール)が開かれる。道新カルチャー面。
     貴重なマンガの原画を保存・活用するための調査を、文化庁が始める。調査は公募した民間事業者に委託し、独立行政法人国立美術館も協力する。『あしたのジョー』の作家ちばてつやの原画やネームなど48,000点を調査してインデックス化し、保存の手法を検討する。本年度中に3,400万円、新年度も他の漫画家の作品調査などで1億9,000万円を予算化した。朝日新聞社会面。

  • 祝・第170回直木賞受賞

    2024年01月18日

     別海町出身の作家・河﨑秋子が『ともぐい』(新潮社)で第170回直木賞を受賞した。熊打ちの猟師「熊爪」を主人公に据えた〝熊文学〟である。2012年に『東陬遺事」で北海道新聞文学賞、2014年に『颶風の王』で三浦綾子文学賞を受賞している。北海道の歴史と人間に真っ向から向き合った、骨太の「北海道小説」が高く評価されたと言えるだろう。〈熊がいるところに居続けること、あらがうこと、戦うこと、このすべてを通じて熊文学ととらえていただいてかまいません)。道新一面、3面、社会面。もちろん朝日新聞にも。
     映画プロデューサー大林恭子が、2020年に亡くなった夫の大林宣彦との思い出を『笑顔と、生きることと、明日を 大林宣彦との六十年』(春陽堂書店)にまとめた。芦別など道内ロケの作品にも触れた。道新社会面。

  • ハドソンの歴史

    2024年01月17日

     50年前に札幌で設立されたゲームソフト会社「ハドソン」の思い出を語るイベントが、「北海道ゲームアーカイヴ協会」の主催で昨年12月に開かれた。元社員の高橋名人らが参加。協会を運営する山本耕平はゲームのコレクター、寺農織苑は学芸員資格を持つ北大の院生。〈研究するにせよ、展示するにせよ、オリジナルの資料や当事者のインタビューができる限り良い状態でアーカイブ(保存)されていけば後世の財産になる」。寺農の言葉は、ACA設立の理念と重なる。朝日新聞北海道面。

  • ヤキトリとCGアニメ

    2024年01月16日

     札幌のCGプロダクション「アレクト」が作成したSFアニメ『ヤキトリ』が、Netflixを通じて動画配信されているとの記事。戦闘シーンはモーションキャプチャーにより、登別伊達時代村の俳優の動きを取り込んでいるという。音楽は世界的DJケンイシイが手がけたテクノポップ。ちなみに「ヤキトリ」は地球外勢力の属国になった地球の若者による部隊?の名前で、使い捨て扱いをされているとの設定。
     ノンフィクション作家・澤宮優の新著『天守のない城をゆく』(青土社)では、函館の五稜郭、北斗市の松前藩戸切地陣屋跡、白老の仙台藩白老元陣屋、根室のヲンネモトチャシ跡など道内の〝城〟も紹介している。五稜郭を除けば、道内でもそれほど知られていないのではないか。まなざしやよし。
    ▼《音楽季評》10-12月 三浦洋
    ▼《道内文学》詩 若宮明彦
     いずれも道新カルチャー面。
     丸木位里・俊夫妻による絵本『ピカドン』の初版(1950年)が復刻された。原爆の図丸木美術館の岡村幸宣学芸員が企画し、研究者による解説冊子と併せて京都の琥珀書房が販売している。道新社会面。
     

  • 八代亜紀の『舟唄』

    2024年01月14日

     朝日新聞文化面は、阿久悠とともに『舟唄』『雨の慕情』を手がけた作曲家の浜圭介による八代亜紀の追悼文。『舟唄』は阿久が美空ひばりをイメージして書いた詞で、それを知らなかった浜もまたひばりをイメージして曲を書いたと明かしている。『舟唄』が八代亜紀の代表曲になったのは、運命としか言いようがない。
     道新読書ナビの《ほっかいどう》は、亀野仁『地面師たちの戦争』(宝島社文庫)を紹介。前作『密猟海域』に続いて、舞台は北海道。

  • AINU ART-モレウのうた

    2024年01月13日

     日本画家で東京藝大名誉教授の福井爽人(86)が、市立小樽美術館へ150号の大作6点を含め9点を寄贈した。旭川生まれ、小樽育ち。小樽美術館で特別展「追憶の歌 日本画家 福井爽人」(2023年4月〜7月)が開かれたのがきっかけ。寄贈した作品は『春影』『門』『木陰』『影映』『春陽』『沐浴のとき』『鴨』『干物』『梟』。
     13日から、特別展「AINU ART―モレウのうた」が北海道立近代美術館で始まる。19世紀から現代までの着物や木彫の文様「モレウ」を展示する。2013年の「AINU ART―風のかたりべ」の続編で、昨年秋に一宮市三岸節子美術館で先に開催された。

  • 《言の葉工務店》が面白い

    2024年01月11日

     道新カルチャー面のアーサー・ビナード連載《言の葉工務店》がめっぽう面白い。この日は冬の寒さ、切なさを、そのテーマで軽妙な詩を書いた山之口獏や草野心平を例に挙げつつ語った。題して〈人間が味わう「心の冬越し」〉。〈草野心平は蛙を鏡に、同じ生物であるぼくらの心身の仕組みを描く。冬眠中の「土のなかの靄のような幸福」まで味わわせてくれる。「心平診療内科」と呼んだら胡散臭く聞こえるが、心の冬越しには最適だ。〉と。
     道新社会面には、函館出身の女性能楽師柏崎真由子が3月2日に、国立能楽堂で『道明寺』のシテを初めて演じるとの記事。道内出身の女性能楽師として34年ぶり(1990年に、小樽出身で重要無形文化財総合認定保持者の足立禮子が演じた)。シテ以外にも、地謡、笛、小鼓、太鼓など可能な限り出演させるのは、能楽史上初の試みという。

  • ブラタヌキの効用

    2024年01月10日

     この3日ばかり、ビビビッと来る記事に出会えず、潜伏しておりました。道新札幌圏版のシリーズ《ディープに歩こう》の第8部狸小路編⑦は、タイトルが「ブラタヌキ」。言わずと知れた「ブラタモリ」のもじりだ。街歩き研究家の和田哲が案内人となり、西1丁目にある通称「狐小路」は意外にも南北を貫く中通り。酒屋「三国屋」の敷地内に作った小道で、その経営者は陸上で五輪金メダリストとなった南部忠平の父・源蔵だったとは初めて知った(男を化かす女がいたから狐?という解説はどうかと思うが)。2丁目にあった芝居小屋「東座(のちの立花座)」、3丁目の劇場「遊楽館(のちの松竹遊楽館)」、5丁目は開拓使官舎の跡地…などは、地元民や高齢者を除けば知らない人も多かろう。8丁目から10丁目にかけては「鈴蘭灯」があって、鈴蘭街と呼ぼうとしていた時期もあったとか。こういう情報の蓄積も大事。デジタル版には、駅前通の拡幅が、3丁目と4丁目を地下でつなぐ計画に結びつき、地下街建設のきっかけになったとある。地下街の建設は、札幌冬季五輪に合わせた地下鉄開業と表裏一体で進められたと認識していたが、実はそれ以前から構想があったということか。確認してみたい。
     植物学者・画家の鮫島惇一郎が死去。1月7日、97歳。八代亜紀が死去。12月30日、73歳。『舟唄』の「ダンチョネ節」は、漁師の悲哀を歌った俗謡で、もとは神奈川県の三浦半島が歌われているらしいが、どうしても北海道に重ねて聴いてしまうのです。

  • 河﨑秋子『ともぐい』

    2024年01月06日

     朝日新聞読書欄に、第170回直木賞候補に選ばれた河崎秋子『ともぐい』(新潮社)の評(稲泉連)。主人公の猟師「熊爪」が向き合う野生の熊たち、同業者や町の人間たち、そして自然そのもの。熊爪の姿に「色濃く浮かぶ魂の震えに、息をのむ迫力を感じた」。

  • 劇場の20年

    2024年01月05日

     今年最初の道新カルチャー面は映画『ゴールデン・カムイ』の紹介。原作の野田サトルが北広島出身。場面はほぼ冬なので、ロケは日高町、平取町、むかわ町などで行った。札幌の「開拓の村」でも。19日から全道で公開される。
     札幌舞台芸術制作協議会(SEEK)による「札幌のいまとこれから」シンポジウム「劇場の20年」が、BLOCHで開かれた。BLOCHマネージャーの鶴岡ゆりか、tatt Inc./北八劇場アーティスティックコーディネーターの小島達子が登壇し、d-SAP/弦巻楽団の佐久間泉真が進行を務めた。2000年に閉館した演劇専用劇場「ルネッサンス・マリア・テアトロ(旧札幌本多劇場)」を柱に、閉館後の札幌の演劇事情を振り返った。マリア・テアトロ閉館を受けてのBLOCHの快感、シアターZOOやコンカリーニョの動き、演劇シーンを盛り建てたTGRや演劇シーズンなど、この20年間の演劇界を俯瞰することができた。個人的には、マリア・テアトロで90年代半ばに開かれた「小劇場遊戯祭」が懐かしい。かつて劇団が100以上あった時代と現在の比較は、定量的な分析とまではいかないが、TEAM NACSのような超人気劇団の影響力が指摘されて興味深かった。

  • 「四日」は仕事始め

    2024年01月04日

    「四日」は新年の季語だと、この日の北海道新聞社会面《新・北のうた暦》が教えてくれる。仕事始めの謂いだ。とはいえニュースは羽田事故と能登半島地震の記事一色である。

  • アイヌ漆器にスタンプ文

    2024年01月01日

     元日に能登地方を襲った巨大地震。M7.6や震度7という規模を示す数字に、東日本大震災を想起した人も多いだろう。余震はなお続く。
     北海道新聞社会面には、厚真町オニキシベ2遺跡で2007〜2008年に発掘されたアイヌ文化期の漆器が、鎌倉時代に作られた「スタンプ文漆器」であることが最近の調査で分かってきたとの記事。実は1999年に余市町の大川遺跡からも同様の漆器が見つかっている。交易があったことは確実だろう。
     紙面に載った「スタンプ文」の意匠が優れている。上下に向かい合った2羽の鶴はタンチョウではないにせよ、近代的なデザインと言えるのではないか。

  • 2023 墓碑銘

    2023年12月31日

     道新の墓碑銘2023。道内ゆかりの芸術・文化関係者のみ記しておく。林田恒夫(1月11日、タンチョウ写真家)加藤多一(3月18日、児童文学作家)大橋純子(11月9日、歌手)川嶋康男(12月7日、ノンフィクション作家)。国内では、高橋幸宏、辻村寿三郎、松本零士、黒田杏子、大江健三郎、奈良岡朋子、坂本龍一、富岡多恵子、平岩弓枝、野見山暁治、森村誠一、飯守泰次郎、山本二三、市川猿翁、土田よしこ、遠山一、谷村新司、財津一郎、もんたよしのり、KAN、三木卓、伊集院静、山田太一。海外ではジェフ・ベック、バート・バカラック、カルロス・サウラ、ヒュー・ハドソン、ウェイン・ショーター、ハリー・ベラフォンテ、ティナ・ターナー、イリヤ・カバコフ、フランソワーズ・ジロー、アストラッド・ジルベルト、ミラン・クンデラ、ジェーン・バーキン、トニー・ベネット、フェルナンド・ボテロ、ルイーズ・グリュック。海外の文化人比率が高いのが興味深い。
     朝日新聞の「2023年亡くなった方々」では、これに加えて松平頼暁、加賀乙彦、デビッド・クロスビー、永井路子、鮎川誠、山根貞雄、菅野昭正、海野弘、大石悦子、原尞、メナヘム・プレスラー、中島貞夫、栗山昌良、PANTA、外山雄三、ウィリアム・フードキン、ロビー・ロバートソン、西村朗、寺沢武一、櫻井敦司、泉昭二、三浦徳子、チバユウスケ、豊田有恒、西木正明、ライアン・オニールの名前が挙がっていた。
     惜しみつつ、お別れを。

  • SHISHAMOの応援

    2023年12月29日

     道新カルチャー面の2003年回顧(下)は「藤井聡太 史上初の八冠」「日曜文芸と戦争」「映画界の性加害」「バーメルト わが半生語る」。大正期の映画文化を丹念に調べた前川公美夫『大正期北海道映画史』(亜璃西社)の記事。「大正期の映画を軸にした道内の日常や庶民の暮らしが伝わる」と話す。
     特産品シシャモの記録的な不漁にあえぐむかわ町に、「鵡川ししゃも応援団」にもなった女性3人組バンド「SHISHAMO」が応援メッセージを寄せたとの記事。道新社会面。
     高校吹奏楽の名門校、東海大札幌と熊本の玉名女子が25日にKitaraで共演した。札幌地区吹奏楽連盟が企画した。「コロナ禍を経て、生の演奏会から客足が遠のいている」という危機感が背景にある。

  • 乗代雄介『それは誠』

    2023年12月28日

     道新カルチャー面は2023年の年末回顧(上)。お題は「JKT問題(ジャニーズ、歌舞伎、宝塚)」「貧困研究」「TVHのバーチャルマスターオペレーター」「学芸員の仕事」で、振り返りというより担当記者の記憶に残る出来事をピックアップした。同じ紙面で、江別出身の乗代雄介の『それは誠』が織田作之助賞を受賞したとの報。『それは誠』は、書評家豊﨑由美による道新《トヨザキ社長の鮭児書店》で恒例の『鮭児文学賞』も今回受賞していた。

  • 国立の文化財修理センターの基本構想

    2023年12月26日

     文化庁が、国立の文化財修理センター(仮称)を2030年までをめどに京都につくる基本構想を発表した。現在は所有者の責務とされ、主に民間事業者が継承してきた文化財修理を、国が主導的に取り組む。修理推進、調査研究、人材育成、情報発信を柱とする。実際には国立博物館や文化財研究所の組織を活用するとのことで、センターの具体像はこれから。朝日新聞朝刊社会面。同じ朝日の夕刊で始まった《アートの伴走者》では、東京オペラシティアートギャラリーのチーフ・キュレーター天野太郎が、蔡國強の火薬を使った作品に触れつつ、米国のゲティ保存修復センターの保存修復室長ラッシェル・リヴェンクの仕事を紹介していて、同じ保存修復に関する話題で通じ合っている。

  • 『詩の檻はない』

    2023年12月25日

     朝日新聞夕刊の《with Planet》で、タリバンによる詩人への抑圧に抗議する詩集『詩の檻はない』の話題。運動の提唱者でアフガニスタンの詩人ソマイア・ラミシュが来日した。日本版は旭川の詩人柴田望が取りまとめたと触れている。「新しい時代へと進んでいくために、「あり得ない」「信じられない」と切って捨てるのではなく、同じ時代を生きている誰かが抱える大変な思いを理解しようとする「想像力」が必要だと柴田さんは考えている」

  • 『アイヌ神謡集』刊行100年

    2023年12月24日

     知里幸恵『アイヌ神謡集』刊行100年と、知里の生誕120年。道新の《記者の視点》は、社会学者中野敏男の言葉を引いて、人権、民族、ジェンダー、階級など複数のカテゴリーを組み合わせて「差別的な秩序を構成して支配しようとする統治方式」であると位置付けた。『アイヌ神謡集』は、そんな当時の社会構造に対してのアイヌ民族の尊厳を打ち立てる宣言であったと。中村康利記者。

  • 札幌座『カフカ経由 シスカ行き』

    2023年12月23日

     サタデーどうしんの文化・エンタメ《ステージ》で、札幌座Pit『カフカ経由 シスカ行き』の劇評。札幌座斎藤歩とチェコを拠点とする人形劇師沢則行の新作は見事だったようだ。ウクライナとロシアの戦争、少数民族への抑圧といったテーマ性に、人形を駆使したファンタジー性。「民族の文化への尊厳や想像力への信頼といった斎藤が込めた願いを、沢が見事に視覚化、見ていて胸が熱くなった。北海道が生んだ、現代を射る珠玉の舞台と感じた」。最大級の賛辞が、病と闘う斎藤の力になればと願う。

  • ジャニーズと紅白

    2023年12月22日

     朝日新聞が朝刊文化面で紅白歌合戦と旧ジャニーズの蜜月の歴史を振り返っている。出場回数の推移表が面白い。パッと見では1990年からSMAPが23回、1993年からTOKIOが24回といずれも長期にわたって出場しているのが際立つが、2000年代末までは多くて4組、平均1〜2組であった。むしろ2008年初出場の嵐以降に、4組から5組、そして最大7組とジャニーズならなんでもありの状況になっている。NHKの元職員は「嵐が司会に起用された10年ごろから、ジャニーズとNHKはズブズブの関係だった」と振り返る。断片的な証言を説得力をもって裏付けするから、データはかくも貴重なのである。

  • 厳しさにじむ出版界

    2023年12月21日

     道新カルチャー面では、2023年の出版界の動向を特集。このうち道内の動きで、編集者の中舘寛隆が「道内の出版各社は厳しさがにじむ1年だった」と総括した。発行上位10社の発行点数の合計は106冊と最盛期の150冊から減少したという。長らく消息が絶えていた響文社の高橋哲雄が6月に亡くなっていたことも伝えられた。筆者とも長く縁があった人だけに無念。

  • 現代的レイシズムとエコーチェンバー

    2023年12月20日

     道新《水曜討論》は「アイヌ民族への後絶たぬ中傷」がテーマ。北大アイヌ・先住民研究センター教授の北原モコットウナシは、アイヌ民族への直接的な差別に対して、アイヌ民族が過剰な優遇を求めているというような曲解を、新たな差別の形態であり「現代的レイシズム」と呼ばれているという。大阪公立大大学院経済学研究科准教授の明戸隆浩は、差別的な言動が著しくなる背景にSNSなどで自分と同じ意見だけを見聞きし続けることで、思考が極端になっていく現象「エコーチェンバー」があるとした。
     同じく社会面には、北海道アイヌ協会がアイヌ民族へのレイシズムの当事者である衆院議員杉田水脈のSNS投稿について「公に投稿する内容として不適切で、人権意識の欠如といえる」とする声明を発表した。

  • 『窓ぎわのトットちゃん』

    2023年12月19日

     アニメ映画『窓ぎわのトットちゃん』監督の八鍬新之介のインタビューが道新カルチャー面に。自らの子どもができたことをきっかけに、先進的な教育に取り組む「トモエ学園」を舞台に、小学1年生のトットちゃんと友達のかかわりを描く。原作は黒柳徹子の同名小説。登場人物の唇を赤く描いた背景には、舟越桂の彫像の影響もあるという。黒柳は滝川にも縁がある。
     道新社会面に、国の文化審議会が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産登録の申請候補に「書道」を選んだとの記事。書道は2021年に国の登録無形文化財になっている。登録採否は2026年。

  • 土田英順チャリティー500回

    2023年12月18日

     元札響首席チェロ奏者の土田英順が、500回目となるチャリティコンサートを札幌で開いた。〈500回続けられたのが信じられない。74歳のチェリストが86歳になった。支えてくれた皆さまのおかげ〉〈音楽の力で震災の苦しみ、悲しみを少しでも和らげていきたい〉。道新社会面。

  • 明和電機の「ナンセンスマシーン展」

    2023年12月17日

     来年1月20日に開幕する札幌国際芸術祭の事業のひとつ、明和電機の「ナンセンスマシーン展」が16日に始まった。初日は明和電機社長の土佐信道がミニライブも。3月3日まで。鹿追町を舞台にした映画『おしゃべりな写真館』の完成披露上映会が、町民ホールで16日に開かれた。妻を亡くした写真家と、山村留学で町に来た中学2年の少女が主要なキャスト。来夏全国公開される。いずれも道新社会面。

  • 麻生直子の詩集『アイアイ・コンテーラ』

    2023年12月16日

     奥尻町出身の詩人麻生直子の新詩集『アイアイ・コンテーラ』(紫陽社)。表題はニヴフ民族の言葉で「それは困ったね」の意味という。道新カルチャー面。
     社会面には、道内テレビ局3社がドキュメンタリー番組の映画化を相次いで公開するとの記事。HBCは『ヤジと民主主義』、UHBは『新根室プロレス物語』、HTBは『奇跡の子 夢野に舞う』。
     朝日新聞北海道面。公益財団法人アイヌ民族文化財団主催のアイヌ語弁論大会「イタカンロー」に参加した、北原モッコトウナシ(北大アイヌ・先住民研究センター教授)は、生誕120年の知里幸恵を描いた和製作品が感動ストーリーとして消費されていると指摘する。差別の解消は「個人的な思いやり」ではなく「制度の改革として目指すべきだ」という趣旨。差別や人権の問題に向き合う入り口として、知里幸恵の物語があってもかまわないと思うが、「感動」だけにとどまる浅さを突いているのだろう。同じく道内面に、北海道デジタル出版推進協会(代表理事・林下英二中西出版社長)の活動が紹介されている。2013年に道内出版社10社でスタート。現在は14社で、電子化した書籍・雑誌は1050点に及ぶという。木村盛武『慟哭の谷』や、けーたろう著・なかいれい絵の『おばけのマール』シリーズなど。

  • ジャズの街根室

    2023年12月15日

     老舗音楽雑誌「ステレオサウンド」が「ジャズの街根室」を特集した。1960年代に遡り、愛好団体やジャズ喫茶も紹介している。雑誌は1966年創刊。映画『千と千尋の神隠し』の音楽プロデューサー大川正義(根室出身)の提案で実現したという。道新社会面。