北海道芸術文化アーカイヴセンター | Hokkaido Arts and Culture Archives Center

AtoCジャーナル

  • 「知る」ことの意味?

    2025年02月11日

     道新カルチャー面。武田砂鉄の《考えるピント》は最終回。ネットにあふれる土地の情報だけで、その場に行ったつもりになる「通」について。ひと昔前なら「知ったかぶり」と言われたように思うが、筆者は「知る」ことの意味の方を問うている。それにしても北海道に来たことがなかったのか、武田さん。リスト音楽院セミナーが今年も19日から始まる。イシュトバーン・ラントシュの後任となるピアノのガーボル・ファルカシュ、バラージュ・レイティ、ハープのアンドレア・ビーグ、ヴァイオリンのクリストフ・バラーティらが講師となる。Kitara開館以来続き、27回目とは感慨深いが、この伝統が広く知られていないことに、関係者はもどかしさを覚えているのではないか。札幌市こどもの劇場やまびこ座では、音楽劇『雪の女王』が、15、16日に上演される。

  • 拓大ミュージカル 有終のステージへ

    2025年02月08日

    拓殖大学北海道短期大学のHP(https://www.takushoku-hc.ac.jp/news/news-college/143677/#)

     サタデーどうしんに、拓殖大北海道短期大学の学生らにほる「拓大ミュージカル」の記事。2025年度で保育学科の募集を停止するため、2月15、16日の今回公演が最後になる。41年前の1985年に講師として着任した土門裕之(元副学長)らが創設した。当初は課外活動だったが、90年代後半から授業の一環になった。第8回公演まで脚本や舞台制作に関わったアートホール東洲館の渡辺貞之館長(ふかがわ市民劇団)は「今、深川が演劇のマチと言われるんだよね。やっぱり拓大ミュージカルが発祥なんですよ」。
     同じく文化・エンタメ面もミュージカルの話題。いずれも元宝塚歌劇団の旺なつき、今金町出身の阿知波悟美が、ミュージカル『O.G.Ⅱ』でダブル主演する。釧路市を皮切りに8カ所で公演する。《ステージ》はGLAYの30周年アリーナツアーの函館公演。中森明夫の《ロンリーワイドショー》は、中居正広問題をアイドル評論家の立場で論じた。女性問題だけでなく、SMAPというファンにとっての〝夢〟の後始末をする責任もあったと。

  • 『青い落ち葉』刊行記念トーク

    2025年02月07日

     道新カルチャー面。脱北作家キム・ユギョンによる短編集『青い落ち葉』の刊行記念トークイベントが1月25日にMARUZEN&ジュンク堂で開かれた。翻訳者で韓国語講師の松田由紀、芳賀恵、解説を書いた元北星学園大教授の高島淑郎が話した。シアターキノでは、札幌在住の映画監督・藤野知明がアイヌ民族を描いたドキュメンタリー『アイヌプリ埋葬・二〇一九・トエペッコタン』(2021)『カムイチェプ(小さいプ) サケ漁と先住権』(2021)『とりもどす』(2019)の3本。
     道新札幌版には、元全日本スキー連盟会長だった故伊藤義郎の功績を伝える展示が、札幌オリンピックミュージアム内に新設されたとの記事。札幌圏版には、北海道大学合唱団が創立110周年記念の定期演奏会を2月16日にKitaraで開く。稚内大谷高校長の平岡祥孝(よしゆき)が道新に連載していたコラムを集めた『組織と仲間をこわす人、乱す人、活かす人』を出した。

  • 北海道人は不謹慎?

    2025年02月06日

     サタデーどうしんの文化・エンタメ面にあれこれ。円城塔の《西の国から》は「不謹慎」であることを理由に落とされる作品の何割かは北海道の人が書いたもの、という経験を語る。北海道と不謹慎の閾値に関係があると考えたことはないが、不謹慎を理由に広まることなく落とされるのが実際であれば、筆者の言うとおり、北海道的感性がもっと広まればいいのに、と思わぬでもない。
     父の転勤に伴い9歳から旧姓根室商業学校(現根室高)を中退するまで根室で過ごした画家の青山義雄の生誕130年展「青山義雄とその時代」が、茅ヶ崎市美術館で開かれている。横須賀市生まれで、1921(大正10)年にフランスへ渡り、マティスに師事した。米米CLUBの石井竜也が、3月29日にhiraruで札響と共演する。
     桑原憂太郎の《道内文学 短歌》に歌人松川洋子の訃報。「原始林」の元選者で同人誌「太郎と花子」の編集発行人でもあった。「日曜文芸」の選者も長く務め、多くの若手の才能を見出したことも功績に挙げている。
     訃報で言えば『はだしのゲン』や三浦綾子原作の『母 小林多喜二の母の物語』の映画化を担当した映画監督の山田火砂子も1月13日に92歳で死去。PMFに20年余にわたって参加し、芸術主幹を務めた元ウイーン・フィル首席クラリネット奏者のペーター・シュミードルも2月1日に84歳で死去。

  • 秋山和慶を悼む

    2025年02月04日

     道新カルチャー面は、元札響ミュージック・アドヴァイザー兼首席指揮者の秋山和慶を悼む記事。昨年9月の「鉄道コンサート」のひと幕を振り返った。音楽評論家の三浦洋は「古典派とロマン派が主軸だった札響定期に近代音楽を積極に取り入れ、ロシア・スクリャービンの難曲を情熱的に演奏したことが記憶に残る」と話した。人形浄瑠璃を上演する「さっぽろ人形浄瑠璃あしり座」は、30周年記念公演でオリジナル作品『大黒屋光太夫ロシア漂流記』を7〜9日に札幌市教育文化会館で上演する。人形劇師の沢則行が美術を担当した。全5段通しの上演は2001年以来。出版梓会の出版文化賞を受賞した亜璃西社、新聞社学芸文化賞を受賞した寿郎社が東京での贈呈式に出席した。五十嵐秀彦《道内文学 俳句》は、永野照子の新句集『遠いこだま』を論じた。hitaruのオペラプロジェクト『ドン・ジョヴァンニ』のハイライトコンサートが1月19日に開かれた。
     次回の札幌国際芸術祭の概要が発表された。ディレクターを4人のチーム制とし、クリエイティブディレクターは前回2024年に続いて小川秀明、フェスティバルディレクターに細川麻沙美、スクールディレクターに漆崇博、スタジオディレクターは丸田知明。2027年1〜2月に開催予定。

  • サッポロ・パラレル・ミュージアム2025開催中

    2025年02月03日

    サッポロ・パラレル・ミュージアム2025ウェブサイト

     道新札幌圏版。サッポロ・パラレル・ミュージアム2025がチカホ(札幌駅前通地下歩行空間)や大丸札幌店などで開かれている。9日まで。
     頸椎症性筋萎縮症キーガン型という難病により右腕がほぼ動かなくなった赤平市の書家島崎昭洋は、「戦」の文字を書き続ける。約1キロの筆を持った右手を左手で支えて書く。2009年の書究院展では最高賞の道知事賞を受賞した。

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