- 芸術文化日録(AtoCジャーナル)
影山あさ子が「先住権」で北米取材
2023年09月24日
朝日新聞朝刊北海道版。札幌在住のドキュメンタリー映画監督影山あさ子が、アイヌ民族の「先住権」の取材の一環で、北米の先住民族のサケ漁を取材している。昨年10月から3回、米国やカナダを訪ねた。〈世界の先住権を見ることは、私たちの居場所を映す鏡になる。これから何をすべきか考える材料にしてほしい〉。全国で開く中間報告会の一環で、10月に音更、新ひだか、網走でも開催する。旭川でカムイコタンフェスティバル開催の記事も。
同じ紙面で、北海道合唱コンクールでのエピソードが紹介されている。中学部門で審査結果を待つ間に、課題曲でもあるOfficial髭男dismの『Chessboard』を参加者一同で歌った。コロナ禍以前は自然発生的に歌われていたそうだが、今回は札幌市立あいの里東中の生徒が、そばにいた市立北陽中の生徒とともに声を上げた。合唱コンならではの風景。
道新朝刊《記者の視点》で工藤雄高記者が、空き家状態で活用策が定まらない知事公邸の問題を論じている。知事公館と道立近代美術館の建物の扱いも課題だが、まずは公邸について知事自身の考えが整理されなければ論議が進まないとの論調。道議会内の温度差が背景にあるようだ。記事の最後は、秋田県と秋田市による複合文化施設「あきた芸術劇場ミルハス」を例に、近美と札幌市が検討する「マンガミュージアム」を併設するなど〈大胆な発想があってもいいのでは〉と提言している。その是非はともかく〈北海道の新たな顔と言われるような場所を目指して知恵を絞ってほしい〉との主張には同意したい。
《読書ナビ》に、アリストテレス『政治学』の新訳(光文社古典新訳文庫)を刊行した三浦洋・北海道情報大教授のインタビュー。『政治学』について、近代哲学の二つのスタイルである経験論と合理論のどちらにも偏らず〈自分が気づいた事実と論理を照らし合わせ確証していく過程に魅了される〉。