• 芸術文化日録(AtoCジャーナル)

岩橋英遠資料室で画伯の資料整理スタート

2023年09月26日

 滝川出身の日本画家岩橋英遠の記事は、道新朝刊文化面にも。NPO法人岩橋ふるさと北辰振興会(早弓弘行会長)が、閉校した江部乙中学校の元教員住宅を買い取り「岩橋英遠資料室」として、資料整理の活動をスタートさせた。昨年10月に、相模原市の岩橋アトリエから多数の資料を搬入。机、絵の具、描きかけの絵、戦前の美術雑誌など約5,000冊の書籍!、約1万点!と見られる写真・フィルム、その他。今後は資料の目録をデータベース化し、インターネットでの公開を目指す。北海道芸術文化アーカイヴセンターは、企画段階から岩橋英遠アーカイヴの活動と何らかの連携をしたいと申し出て、理解を得ていた。一歩先んじた着実な歩みに敬意と拍手を。
 道新夕刊カルチャー面は、道内の話題が豊富だ。映画監督の河瀬直美は「この夏、新十津川を訪ねて」の題で寄稿。大阪・関西万博(2025年開催)プロデューサーを務め、会場に建設するパビリオン「河瀬館」を、奈良県十津川村の旧折立中学校の資材を活用して建設するという。十津川と言えば、120年前の「山津波」で壊滅した村の人々が移住した先が新十津川町であることが知られている。河瀬監督が「ふたつの十津川」の関わりを取材するため新十津川を訪れたのは8月で、空知版にその記事を見つけたけれど、今回の寄稿だけでは趣旨がわかりにくい。ともあれ、この経験が「河瀬館」にどう反映されるか注目していきたい。
 陸別を舞台とするラジオドラマ『山神家の森』を、NHK札幌放送局が制作した。30日にFMシアターで全国放送する。北のシナリオ大賞の本年度受賞作。苫小牧出身の奥野瑛太が主役。脚本の宇部道路は千葉県出身。
 《音楽会》は札響第655回定期演奏会(9月9、10日)を中村隆夫が評した。首席指揮者バーメルトが取り上げたのはラヴェル、ファリャ、フランクとパリゆかりの作曲家たち。精緻な表現と趣味の良さを讃えつつ、フランクの交響曲では〈楽譜に込められた楽想を演奏者がどのようにくみ上げているかが見える演奏である。それが十分でなかったことを残念に思う〉と結んだ。
 北大出身の穂村弘によるエッセイ《やわらか眼鏡》は終了し、朝刊で《穂村弘の迷子手帳》として復活すると。長く続いた村田真の《ウエーブ美術》はこの日で終了。夕刊廃止に伴う朝刊シフト続々。

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