• 芸術文化日録(AtoCジャーナル)

佐呂間の「栃木」集落の歴史

2025年08月19日

 群馬県館林の「足尾鉱毒事件田中正造記念館」で、佐呂間町にある「栃木」集落の歩みを紹介する展覧会が開かれている。栃木県の足尾銅山の鉱毒事件でふるさとを追われた谷中村(現栃木市)と周辺の住民が、佐呂間に移住したのは1911(明治44)年。ふるさとの栃木の名を借りた集落の歴史は、江別市の「世田谷」と同様に、100年以上続く開拓期の本州と北海道の縁を伝えるものだ。道新3面の「発信」で「もうひとつの「栃木」 足尾鉱毒の歴史つなぐ」の上・中・下連載が始まった。
 同じ紙面に、5回目となる中野北溟記念北の書みらい賞の大賞を受賞した石原伸弥の「ひと」が掲載された。詩文書『風神雷神』は、濃紺の屏風に白と金で書いた文字が大胆。
 カルチャー面には、35回目の開催となるPMF2025の総括が掲載された。PMFを長年ウオッチしてきた沖縄県立芸大教授の谷本裕は、近年の運営の方向性が国の文化政策の潮流を体現するものになってきていると指摘する。市場性、経済的価値、社会的価値が重視されるなかで、芸術的価値や教育的価値をどう維持していくかが課題という。
 安田菜津紀の《社会時評》は外国人への言われなき差別について。《ステージ》は、札幌演劇シーズンで再演された弦巻楽団の『ローリング・サンダー』。

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