• 芸術文化日録(AtoCジャーナル)

「変えられなかった官僚主義」批判の書

2025年05月26日

「未来」は西からやって来ない。この刺激的な見出しは、朝日新聞文化面に載った編集者・黒鳥社コンテンツディレクターの若林恵による寄稿。1939年と1964年のニューヨーク開催の万国博覧会で話題になったGM社パビリオンのアトラクション「フューチャラマ」のこと。20世紀後半の「未来」をイメージさせたとして知られているが、この展示を枕に現代の米国を批判した話題書『Abundance』が「官僚主義」の問題点をつまびらかにしているという。その一方で、フューチャラマが描いた未来の目標の多数を、中国が実現していることに目を向ける。西欧至上主義の限界とともに、万博自体も賞味期限が来ていることを鋭く論じた。「変えられなかった官僚主義」は、米国だけの問題ではなかろう。

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