• 芸術文化日録(AtoCジャーナル)

Kitara大規模改修に動揺広がる

2025年05月22日

 札幌コンサートホールKitaraの大規模改修計画が波紋を広げている。2028年度から2年鑑に及ぶ可能性がある。2024年度の公演数は大小ホール合わせて361件だった。本拠地として使っている札響、7月に3週間にわたって利用するPMFをはじめ、業界には大きな影響がある。外壁・内壁、空調・電気設備関係、給配水管、エレベーターなど。入札は昨年と今年の2回行ったが、人手不足の影響もあって不調に終わっていた。2年間はいくらなんでも。札響定期は通年だから影響は仕方ないとしても、すべての公演がhitaruでまかなえるとは思えない。2期3期に分けてPMFを避けるなど工夫はできないものか。道新社会面。
 朝日新聞北海道面。日本を代表する書家・中野北溟(101)の常設展示室「中野北溟記念室」が4月、札幌市教育文化会館内に開設されたとの記事。昨年1月に作品731点を札幌市に寄贈したことが契機となった。約20点を1年スパンで入れ替え展示するという。
 同じく文化面には、昨年11月に亡くなった谷川俊太郎のお別れの会の様子を詳報。吉増剛造、池澤夏樹、糸井重里の追悼の言葉。そして娘の谷川志野から見た父の姿。谷川自身が詩の朗読をする映像も紹介された。吉増「ひとりぼっち性が根源にある人」。池澤「孤独をしなやかに生きる。その谷川さんの姿勢を身につけたかった」。糸井「言葉のキャッチボール」をしてきた。
 道新カルチャー面。《戦後80年 わたしがつなぐ物語》は、HBC報道部デスクの山崎裕侍がジョン・レノンのGive Peace a Chanceを紹介している。ほかにハインツ・ホリガー指揮の札響第669回定期の紹介など。読売日本交響楽団首席オーボエ奏者だった蠣崎耕三の里帰り公演の「札幌凱旋」という見出しはどうか。大ベテランの演奏家に使う言葉ではないのでは。

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