- 芸術文化日録(AtoCジャーナル)
「テレビを捨てる日本人」――古谷経衡
2025年04月08日

道新カルチャー面。札幌出身の評論家による「古谷経衡の考えるピント」は最終回。「テレビを捨てる日本人」と題して、テレビメディアへの痛烈な批判。番組の制作能力が素人並みになった、クリエイティブなセンスがゼロ、などと厳しい。もちろん良質な番組も残っているはずだが、テレビっ子が量産されていた黄金時代の蓄積を、体質や感覚の変革に活かせなかったという点では仰せのとおり。そしてテレビだけの話ではない。《道内文学 俳句》は、俳句界が退潮と言われる理由を、作品を発表するメディアの多様化に求めつつ、結社誌や同人誌にも存在意義があるとして「(雑誌から拾って紹介した)どの句にも内省的な象徴詩の世界がある。北方の地域性が詩想の根底に流れていることをあらためて思うのであった」と結ぶ。評は五十嵐秀彦。