- 芸術文化日録(AtoCジャーナル)
河﨑秋子が語る山川方夫『夏の葬列』
2025年03月18日

道新カルチャー面の不定期連載《戦後80年 わたしがつなぐ物語》は、終戦前日の苦い記憶をモチーフにした山川方夫『夏の葬列』を河﨑秋子が紹介した。各地で戦争・紛争が起きている状況について「20世紀に2回も世界大戦をやった上に今世紀にまた戦争をやるのは、国家の単位で言えば政治の敗北、個人として戦争を支持するのは人間としての品性の敗北。個人としては戦争は良くないという思いを持ち続けることが大事だ」と話す。朝倉かすみの《わたしがちゃんこかったころ》は、老いと体感時間のお話。
第28回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)の岡本敏子賞に、旭川在住の斎藤玄輔のインスタレーション「語り合う相手としての自然」が選ばれた。東京電力福島第1原発の原子炉建屋外壁の模様に着想を得たという。《音楽会》はクリストフ・バラーティのヴァイオリンリサイタル。評は三浦洋。
道新学芸面、文化面と受け継がれ、60年以上続いた研究者のコラム《魚眼図》は3月末で終了する。
新聞三社連合が配信し、北海道新聞などが連載した門井慶喜の小説『札幌誕生』の第1章を抜粋し、道内のセコマ限定で発売する試みが、セコマと河出書房新社の取り組みとして紹介されている。書店よりもきめ細かいセコマの店舗網を使う発想は、なるほどと思う。
朝日新聞の《月刊沖縄タイムス》に、沖縄タイムス社が32年前に休刊した「新沖縄文学」を96号として発行したとの記事が転載されている。1966年から93年まで発行されていた。新沖縄文学賞の50回を記念して、戦後80年の節目に特別に復刊した。北海道の「北方文芸」に相当する出版物だろう。