• 芸術文化日録(AtoCジャーナル)

ハン・ガン講演 暴力的な世界と美しい世界

2024年12月10日

 朝日新聞文化面に、ノーベル文学賞を受賞した韓国の作家ハン・ガンの受賞記念講演の記事。〈世界はどうしてこんなに暴力的で苦しいのか〉〈同時に、世界はどうしてこんなに美しいのか〉。自身を執筆に駆り立ててきた「動力」は「この二つの問いの間の緊張と内的な闘争」だったと述べた。1980年の光州事件にまつわる経験をもとに書いた『少年が来る』は「人間に対する根源的な信頼を失ったが、どうしたら世界を抱きしめることができるのか。その不可解な謎に向き合わなければ前に進めない」として書き始めた。〈人間の残酷性と尊厳が極限の状態で同時に存在していた時空間を光州と呼ぶとき、光州はもはや一都市を示す固有名詞ではなく、普通名詞になる〉

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