- 芸術文化日録(AtoCジャーナル)
狸小路の900m
2023年12月12日
道新札幌圏版はシリーズ《ディープに歩こう》の狸小路商店街の前触れとして、商店街のすべての店構えを撮影した写真を、1丁目から7丁目まで900m分を並べて見開きで見せた。小さいけど貴重なアーカイヴ。
カルチャー面には十勝管内在住の河﨑秋子のインタビュー。明治の道東で、熊と戦う漁師「熊爪」の姿をモチーフにした『ともぐい』(新潮社)を刊行した。14年前、道新文学賞に初応募して候補に残った『熊爪譚』を「物語の根っこは一緒だが膨らませ育て上げた」という。古谷経衡の《考えるピント》は、杉田水脈衆院議員の差別発言をテーマに、「北海道は日本人が開拓したフロンティア」という根強い「開拓神話」にも言及し、アイヌ否定論者の主張の背景にあると指摘した。〈自国の誇りとは、過去に一度も自らの手が汚れていないことを喧伝することではない。過去の暗部を見つめ、真摯に反省し、繰り返さないように努力を続けることこそが真の愛国心ではないのか。