• 芸術文化日録(AtoCジャーナル)

長倉洋海がガザ自治区の住民避難訴え

2023年10月20日

 道新社会面。写真家の長倉洋海が、イスラエル軍の侵攻が秒読みになっているパレスチナのガザ自治区の住民避難を訴えている。ガザには216万人が住み、侵攻作戦に民間人も巻き込まれる可能性が高いという。〈国際社会として、攻撃をやめてくれと声を届けることも大事だ。日本の私たちも現地で何が起きているか心に刻み、教育、医療などさまざまな分野で支援していく必要がある〉。シアターキノでは27日、ドキュメンタリー映画『ガザ 素顔の日常』が上映される。福岡の配給会社「ユナイテッドピープル」が昨年から上映してきた。

 カルチャー面。映画『キリエのうた』を帯広近郊で撮影した岩井俊二監督インタビュー。北海道ロケでは偶然が重なって奇跡的にいいシーンが撮れることが多いという。〈北海道は来るとミラクルが必ず起きる聖地のような場所。拝みたくなる感じです〉。主演はアイナ・ジ・エンド。札幌座は26〜30日に、シアターZOOで『群来、春告魚と蜃気楼』を上演する。作・演出は北海道演劇財団の芸術監督清水友陽。余市町を舞台とする物語という。文芸誌「札幌文学」が93号で、今年2月に亡くなった代表の田中和夫を追悼した。

 札幌の美術家西村一夫が、喜茂別のギャラリー杣人で展覧会を開いている。ギャラリー開設者で昨年亡くなった白鳥信之との生前の約束だったという。札幌版の《みにきて》。

 朝日新聞北海道面に、吹奏楽名門の遠軽高校の記事。全日本吹奏楽コンクールに2年連続出場。昨年完成した606席の音楽ホールを無料で練習に使え、大型楽器も用意されているという。いわばフランチャイズである。建設業の渡辺組が吹奏楽部向けの下宿「ミライロッジ」を6,000万円をかけて建てた。スポーツにも町の支援は及ぶ。佐々木修一町長は〈地域の人々が定着し、生活を続けるには医療・教育が不可欠。人口減少で高校が削減されていけば子どもを教育できない。町にある唯一の高校・遠軽の5クラスを維持することは日本の食料、環境を守ことにつながる〉。究極の目標は町の振興にあるが、全国クラスの活躍を続ける部活動を目当てに、入学者は急増している。めざましい成果だ。

 同じ紙面に、アイヌ先住権訴訟の記事。故萱野茂の次男萱野志朗が証人となり、鮭とアイヌのかかわりについて語った。萱野茂の著書から、曽祖母が「わたしの息子がサケを捕って神々に食べさせ、それと合わせて子供たちに食べさせたのに、罰を与えられるとは何事だ」と嘆いた話を紹介。訴えは浦幌町のアイヌ民族団体「ラポロアイヌネイション」が国と道を相手取って起こした。

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