• 芸術文化日録(AtoCジャーナル)

札幌市英地下鉄のチュンチュン音

2023年09月17日

 朝日新聞朝刊道内面で、札幌市営地下鉄の謎の「チュンチュン」音の理由を調べて紹介している。面白い。札幌の地下鉄が国内で唯一、ゴム製のタイヤを使っていることは知られている。ゴム製ゆえに、架線から車体へ電気を取り込んでモーターを回し、さらに車輪、レールへ電気を送る過程で、金属製の車輪がない代わりに「負集電器」なるものが車両に取り付けられている。レールを挟んでいるため、レールのつなぎ目を通過したり、カーブのところで音がするとのこと。
 南北線が、札幌冬季五輪に間に合わせるため突貫工事で建設されたことは、以前調べた。中でも建設の責任者だった交通局長の大刀豊という名物男のエピソードは、ことごとく面白い。この記事でも、地下鉄がゴムタイヤになった理由を、交通局職員の言葉として「かつての交通局長が視察先であるパリのゴムタイヤ式地下鉄を見学して感動したというのも、理由として挙げられます」と記した。謎の「チュンチュン」音を導入に、成長期の札幌の歴史に目を向けさせる記事でもあった。

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