• 芸術文化日録(AtoCジャーナル)

道庁赤れんが庁舎の改修工事

2023年09月16日

 道新朝刊のサタデーどうしんで、道庁赤れんが庁舎の改修工事を取り上げている。1888(明治21)年に建てられた。屋根構造の不備や火災などで、1911(明治44)年に復旧、1968年に創建当時の姿に復元された。改修の眼目である耐震補強は、積まれたレンガの最上部から基礎まで直径5㎜の穴を開け、長さ約17mの鋼材を差し込む。これを引っ張った状態で固定すれば、レンガが動かなくなる。瓦は宮城県石巻市雄勝地区のスレート(石材)を創建以来、使ってきた。「見せる工事」の試みも。
 道新夕刊カルチャー面の《展覧会》。札幌の画家北山貫一が三笠・幌内炭鉱の往時の街並みを捉えた「ホロナイ鳥瞰」を大丸藤井セントラル・スカイホールで開いている(17日まで)。幌内地区の家々は消えてゆき「石炭が見つかる前の、森にかえりつつある」という作家の言葉は、春に札幌芸術の森美術館の「昨日の名残 明日の気配」展で中島洋が水道管や土とともに展示した、幌内地区の新旧の姿がオーバーラップする映像を想起した。これもまた森が帰ってくる姿だ。
 朝日新聞朝刊北海道面には、写真絵本『はるにれ』の作者で、自然写真家の柿崎一馬が豊頃町で講演する。1979年1月号の「こどものとも」で「はるにれ」のタイトルで出版した写真集が、累計21万部を超えるロングセラーになった。講演会は帯広の写真愛好家・浦島久が企画した。

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