- 芸術文化日録(AtoCジャーナル)
吉田裕史がウクライナ国立オデッサ歌劇場で『ラ・ボエーム』
2023年09月13日
テレビニュースにもなっていたが、イタリアを拠点に活動しているオペラ指揮者の吉田裕史(北見市常呂町出身)が、ウクライナ国立オデッサ歌劇場の首席客演指揮者として歌劇『ラ・ボエーム』を指揮した。現地時間の10日午後6時。ロシアの侵攻後に日本人が指揮するのは初めて。釧路出身・在住の写真家・長倉洋海の軌跡を振り返るドキュメンタリー映画『鉛筆と銃 長倉洋海の眸(め)』が、12日に東京都写真美術館で公開された。長倉自身が代表を務める「アフガニスタン山の学校支援の会」などが制作。監督は河邑厚徳。約200点の写真を自身が語る。11月にはシアターキノでも上映予定。いずれも道新朝刊社会面の記事から。
同じく札幌版には、目新しい記事。タイの映画『ワンデイ』のインド版のロケが、来年1〜3月に道内で行われる。インド版の主演・プロデューサーのジュネイド・カーンが、秋元克弘市長を表敬訪問した。タイ版は2016年に公開。インド版は札幌、小樽、旭川などで撮影予定という。体験型観光の国際イベント「アドベンチャートラベル・ワールドサミット(ATWS)」の開会式が11日に白石区の札幌コンベンションセンターで行われ、札幌書道展会員で札幌南高書道部顧問の水間臥猪(がちょ)が、書道パフォーマンスを披露した。釧路出身の箏奏者・橋本みぎわが共演。橋本は漫画『この音とまれ!』の作者アミューの姉だそう。
道新夕刊カルチャー面には、hitaruで10月7、8日に開かれる歌劇『ドン・カルロ』にエリザベッタ役で出演する木村美穂子のインタビュー。グランドオペラジャパン、東京二期会との共催、ドイツ・シュトゥットガルト州立歌劇場との提携公演で、札幌、よこすか芸術劇場、東京文化会館でも上演する。木村はhitaru柿落としの『アイーダ』にタイトルロール(ダブルキャスト)で出演している。
朝日新聞文化面の文化財修復の記事が興味深い。文化庁が、文化財修理のための原材料のリスト化を進めているという話。2022年度から5年計画の「文化財の匠プロジェクト」の一環。国宝の掛け軸の修理に不可欠な「宇陀紙(うだがみ)」は、奈良県の宇陀紙選定技術保持者によると、戦後に先代が道北のノリウツギを使い始めたが、エゾシカの食害や作業者の高齢化で生産が危ぶまれていた。危機を聞いて道立林業試験場の職員の協力で、標津町に自生地が見つかった。文化庁の補助で、町が森林組合を巻き込んで生産を開始した。文化庁は、お墨付きを与える(リストから漏れた産地へのマイナス要員にも)ことを懸念しているというが。