• 芸術文化日録(AtoCジャーナル)

一石投じた国立科学博物館がクラファン

2023年08月18日

 道新朝刊《読者の声》に、国立科学博物館がクラウドファンディングで運営資金を確保した一件に関する投稿。〈「国立」と名のつく施設が、人の善意に頼らなければならない現状はいかがなものか〉〈大阪・関西万博の整備費は、いつの間にか総額1250億円から1850億円に増額された。日本の知の宝を守る博物館の予算を1億円増やすこともできないのか〉。至極真っ当。
 道新朝刊十勝・帯広版。浦幌町十勝太の海沿いの土地に屋外イベントスペースが誕生した。オーナーは帯広でアイヌ料理店を経営する豊川純子。妹の豊川容子がボーカルを務めるバンド「nincup(ニンチュプ)」が出演するライブを26日に開催する。土地を「集楽」と呼び、イベントスペースを「十勝太187」、ライブを「月を海」とするネーミングセンスが気になる。
 同じくオホーツク版に、網走市立郷土博物館の特別展「夜のいきもの展」の記事。エゾシカやコウモリ、エゾセンニュウ、トラツグミなど動物たちの夜の生態を展示室に再現している。発想やよし。函館・道南版の《縄文遺産 道南から世界へ》では、函館市縄文文化交流センターでの「戸井貝塚展」(10月1日まで)を紹介。市指定文化財の「角偶」はシュールな外見。これは一度見てみたい。
 朝日新聞夕刊に演出家・鈴木忠志(84)が、若き日のプーチン・ロシア大統領と2度面会したときのことを語っている。鈴木が関わり演劇を通じて反戦や反差別を訴える「シアター・オリンピックス」のモスクワ開催(2001)や日ロ共催(2017)のとき。いまロシア芸術は世界で排除されたままになっている。〈「その原因を作り出したのはプーチン氏自身なのだ」〉
 イタリアの名ソプラノ歌手レナータ・スコット死去。89歳。

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