• 芸術文化日録(AtoCジャーナル)

加藤直樹『九月、東京の路上で』

2023年08月15日

 道新朝刊は地元の芸術・文化記事なし。文化面は《歴史を問う 関東大震災100年》のシリーズ2回目で、ノンフィクション『九月、東京の路上で』(ころから)を書いた加藤直樹にあらためて話を聞いた。その隣の記事、安田菜津紀の〈社会時評〉はジャニーズ事務所の性被害問題がテーマ。前者は、震災後の不安を背景とする流言から起きた虐殺の歴史に、後者は当事者もメディアも長く口をつぐんできた不都合な事実にきちんと向き合うべきだ、という論調が共通している。
 道新夕刊カルチャー面では、シリーズ《シロカニペ 銀の滴 知里幸恵「アイヌ神謡集」刊行100年》に、アイヌ文化伝承者の原田公久枝が寄稿。登別で「銀のしずく記念館」を長く運営した横山夫妻の思い出に触れながら、知里幸恵の言葉〈私がもしかシサムであったら、もっと湿ひの無い人間であったかも知れない〉に共感する、と述べている。
 朝日新聞は甲子園の記事でいっぱいだ。ことに13、14日は道内勢の惜敗とサヨナラ勝ちが続いたので、北海道面も野球新聞みたい。

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