- 芸術文化日録(AtoCジャーナル)
ライジングサン・ロック・フェスは声出し解禁
2023年08月12日
道新朝刊社会面。石狩湾新港で野外音楽イベント「ライジングサン・ロックフェスティバル2023イン・エゾ」が開かれた(11、12日)。コロナで2年続けて中止。昨年は歓声自粛・マスク着用励行だったので、出演者と観客の掛け合いは4年ぶりとなる。
「サタデーどうしん」では今年のPMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)を総括。ウルバンスキ、ダウスゴーの指導力、アカデミー生の質の高さもさることながら、 LGBTQについても考えた北大公開講座が大きな成果だったと振り返っている。吉原真里ハワイ大教授がPMFに対して提言した「教育機関や文化団体との連携」「先住民族について考える場に」は、古くから課題となってきたこと。「巨匠を呼んでいっちょ上がり」からの脱却のヒントは、すでにある。
道新夕刊カルチャー面では、ACF札幌芸術・文化フォーラム主催の彫刻家・安田侃講演会(7月26日)を紹介。〈代表作となった「意心帰」などをいかに超えるか苦心している〉
余談ながら、朝日新聞朝刊の読書面にドッキリ。美術家・横尾忠則による志村真幸著『未完の天才 南方熊楠』(講談社現代新書)の書評が天地逆さまに組まれており、評文の上に大きなゴシックで「未完」の文字が。横尾は以前から、この欄で鬼面人を驚かす的な試みを繰り返してきた。面白いと思う人と、ハッタリにすぎないと考える人がいるだろうけれど、紙面を作る側の立場では、筆者のアイディアをよく通したなあ、と驚く。〈未完こそ完成の進行形〉という言葉は、横尾が熊楠に重ねて自分自身にも言い聞かせているように読める。