- 芸術文化日録(AtoCジャーナル)
中原悌二郎賞に『デコボコの舟』
2023年08月10日
道新朝刊第4社会面に、旭川市・旭川市教委主催の彫刻賞「第43回中原悌二郎賞」の記事。今年は、多摩美大准教授の中谷ミチコさん(42)による石膏像『デコボコの舟』が選ばれた。彫刻界のベテランが受賞者に名を連ねてきた賞だから、42歳で受賞が最年少というのはうなずけるし歓迎したい。しかし「女性で2人目」には頭を抱えざるを得ない。彫刻界にもジェンダー問題が。
いずれも道内の話題ではないが、道新も朝日も夕刊1面で戦争にまつわる話題をフューチャーした。
道新は、漫画家・故水木しげるが『総員玉砕せよ!』をはじめとする戦記物を手がけた背景を、家族の言葉で紹介。過酷な出征体験、玉砕した戦友との別れなど惨禍の記憶を後世に伝える使命感からだったと。いまなお続く戦争に、水木なら「ばかだなっ」と吐き捨てるだろう、という妻の言葉が響く。
朝日は、例のバーベンハイマー(BARBENHEIMER)問題を、デーブ・スペクターが実に軽いトーンで語っている。いわく、話題性のある映画『バービー』と『オッペンハイマー』の同時公開に盛り上がった映画ファンが「うれしくて盛り上がっちゃったんですね」。後者の公式アカウントが、原爆をジョークにした画像に好意的に返信した問題も「つい、乗っかっちゃったんでしょうね」。さすがに別記事では核兵器廃絶を訴える市民らのコメント、映画評論家の分析も紹介しているが……。うーむ。